...つまり店の小粋な設備も座敷を取り払ひ...
武田麟太郎 「一の酉」
...絵画を純粋な芸術品として見れば...
津田左右吉 「芸術と社会」
...ベルグソンはすっかり生理を離れて純粋な心理だけの問題を考えているのである...
寺田寅彦 「笑い」
...処で比較的問題の概念を混えない純粋な立場概念を吾々は絶対主義乃至相対主義に見出した...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...純粋な科学と通俗科学とが対立しているのでないのは云うまでもない...
戸坂潤 「思想としての文学」
...なお長らく彼は、自分にとって最もりっぱな人々、最も純粋な人々、聖者中の聖者とも言うべき人々、そういう楽匠にはあえて手を触れなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そうした意味の「科学小説」こそが純粋な「科学小説」であり...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...それらの中には純粋な民間機関もあれば...
中井正一 「調査機関」
...彼の知る限りではその最も純粋な最後の人たちの一人なのであった...
中島敦 「斗南先生」
...プリズムで分けたスペクトル光のように恐ろしく純粋な色があるかと思うと...
中谷宇吉郎 「雑魚図譜」
...しかし純粋な水だけを...
中谷宇吉郎 「自然の恵み」
...「つくしこひしの歌」――私達にはもちろんのこと、それをお書きになられた室生さん御自身にも本当に思いがけなかったにちがいないような、純粋な、いじらしいばかりの作品、――それは同時にそんな小説をお書きになろうとは思いもよられなかったであろう「死のいざない」の最近のにがい御経験の中からでなければ、そんなにも甘美に、そんなにも無心に描かれはしなかったろうと思われました...
堀辰雄 「「美しかれ、悲しかれ」」
...粋な仕立てズボンと...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...粋な家具店を覗き込むようで...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「見えざる力」
...またヘーゲルが自分の思想を出来るだけ純粋なドイツ語で表現することに努め...
三木清 「軽蔑された飜訳」
...わたしたちが文学を愛するこころもちの最も純粋な情熱は...
宮本百合子 「あとがき(『作家と作品』)」
...いかにも御尊父らしいと思う」「父は純粋な人だった」と...
山本周五郎 「花も刀も」
...粋な風俗の絶滅を悲しんで...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
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