...頭(かしら)に気が籠った様子で...
泉鏡花 「婦系図」
...艇内の人々から完全に離れて博士の機械室にとじ籠った...
海野十三 「断層顔」
...わざわざ寺に籠ったりして時間をかけて参禅する話など聞くと...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...総代のうちにはこれが明治初年に凾館五稜廓に立て籠った勇将かと思いつつ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...舵手のこうして口籠ったのはちょっと不自然に思われた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...しかもいかにも慈愛の籠った声で...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...あるいは生涯貧しい薄暗い家の中に引き籠ったきりで深い思索や瞑想に耽っていたような人もあったらしい...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...」彼は曖昧に口籠ったが...
豊島与志雄 「公孫樹」
...云い直したり口籠ったりした...
豊島与志雄 「狐火」
...晴れやかさの籠った声で...
豊田三郎 「リラの手紙」
...そこに引籠った私は山門を境に世間と出来るだけ交渉を断ち...
中勘助 「独り碁」
...お互いに立て籠ったまま...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...川上君などがこの山に籠った処であろうと思う...
牧野富太郎 「利尻山とその植物」
...灰色の煙が立ち籠ったような空の色だ...
水野葉舟 「遠野へ」
...そのほかはいつもただ独り部屋の中にとじ籠ったきりで...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...心の籠った云い方だった...
山本周五郎 「菊屋敷」
...褐色をした列車が生温い空気の籠ったその下に...
横光利一 「旅愁」
...この南河内川上郷の奥へ引き籠ったのは...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索