...そのうちにはどうかすると遠い海嘯のような大きな音をたてる烈しい松籟が押し寄せることがある...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...夜は正に三更万籟死して...
泉鏡花 「活人形」
...万籟(ばんらい)寂として天地あらゆるものが...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...万籟(ばんらい)闃(げき)として声を呑(の)む...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...万籟寂々(ばんらいせきせき)天地眠るの深宵(しんしょう)にひとり慷慨(こうがい)の熱涙をふるうの愛国者もあらん...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...南風烈しく松籟颯々たり...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...白雲丘陵の頂に搖曳し、松籟颯々、凉氣水の如し...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...流水と松籟(しやうらい)の響に交る讀經の聲と...
永井荷風 「十年振」
...この万籟(ばんらい)死したるところの底において...
中里介山 「大菩薩峠」
...万籟(ばんらい)静まり返った比叡と鞍馬の山ふところ...
中里介山 「大菩薩峠」
...高野泰志編『ヘミングウェイと老い』(松籟社)所収...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...爽籟涼生処...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...涼籟吹衣到祇園...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...梢をかすかに松籟の渡るのが聞えた...
横光利一 「旅愁」
...天籟とも云ふべき微風が諸峯の松に静かな楽音を調べてゐたのは...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...たとえば松籟(しょうらい)に翼をやすめている鷹(たか)の如く澄んだ眸(ひとみ)をそなえている...
吉川英治 「黒田如水」
...松尾山の松籟(しょうらい)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...松籟(しょうらい)の爽(さわ)やかな響きを伝えるような亭々(ていてい)たる大樹は...
和辻哲郎 「松風の音」
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