...おれは籐(とう)の杖を小脇にして...
芥川龍之介 「東洋の秋」
...さうして、籐椅子の上では、長谷川謹造先生が、ストリントベルクのドラマトウルギイを読んでゐる...
芥川龍之介 「手巾」
...卓机もあつて籐椅子が二脚...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...船長室の籐椅子のうえにおいて...
海野十三 「火薬船」
...安物の籐椅子(とういす)にもたれてうとうととこんな夢を見ているであろう間に...
寺田寅彦 「野球時代」
...縁の籐椅子(とういす)に腰かけて右のドラマを読んで居ると...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...籐のステッキを両手でついて...
豊島与志雄 「自由人」
...そのうちくわしく知らせるからといって……駒井が例の如く籐(とう)の鞭を振って立去る姿を...
中里介山 「大菩薩峠」
...お貞さんは兄が籐椅子から立ち上るのを見るや否や...
夏目漱石 「行人」
...籐(と)の安楽椅子(いす)に腰を掛けた...
夏目漱石 「それから」
...この籐椅子(とういす)の山はあの時代をわずかにしのばせるみすぼらしい残骸なのです...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「流刑地で」
...廊下の窓のそばの籐椅子(とういす)に掛けて本を読んでいると...
久生十蘭 「キャラコさん」
...一深尾好三はゆたかに陽のさしこむ広縁の籐椅子の中で背を立てた...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...一組の少年と少女とが籐椅子に凭れてゐるのを認めた...
堀辰雄 「萩の花」
...黙ったまま私の横の籐椅子に腰を下ろした...
堀辰雄 「晩夏」
...籐駕籠(パランキン)に揺られて英吉利(イギリス)旦那のもとへ通ったり...
牧逸馬 「ヤトラカン・サミ博士の椅子」
...籐椅子に向ひ合つたまゝ...
牧野信一 「春」
...幸子が長椅子で雑誌を読んでいる縁側に籐椅子を出し...
「一本の花」
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