...籐椅子と雖(いえど)も油断は出来ない...
芥川龍之介 「上海游記」
...香取さんがこしらへた鳥冠(とりかぶと)の握りのついた太い籐のステッキを手にして構へた...
小穴隆一 「二つの繪」
...部屋の隅(すみ)の籐椅子(とういす)に腰かけていた...
太宰治 「正義と微笑」
...着たままの洋服に籐(とう)のステッキ一本と云う身軽な自由な体になっていたので...
田中貢太郎 「港の妖婦」
...籐椅子(とういす)にかけた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...颯子ハ果シテ籐椅子ニ寝テイタ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...小さな一本の籐の笞を取り上げ...
谷崎潤一郎 「蘿洞先生」
...サモイレンコは広い斜めの凭(もた)れのある籐椅子に身を沈めた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...籐のステッキを両手でついて...
豊島与志雄 「自由人」
...手には二百フランもする丈夫な籐(とう)の杖を持っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...新しい籐(とう)も何にも巻かない剃刀の方でしたよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...柄に籐(とう)を巻いた古い剃刀で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...籐編(とあ)みの火鉢(ひばち)の縁(ふち)にぞ懸(か)けたる...
樋口一葉 「われから」
...広縁の籐椅子から声をかけた...
久生十蘭 「あなたも私も」
...籐(とう)椅子に座り...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...縁側の籐椅子にのけ反つて星空を見あげてゐる者……など...
牧野信一 「海路」
...わたしは歓迎にしびれた五体を籐椅子に横たへながら...
牧野信一 「緑の軍港」
...そこへ弦(つる)のある籐(と)の籠(かご)にあかすぐりの実を入れて手に持った女中が通り掛かったので...
ハンス・ランド Hans Land 森鴎外訳 「冬の王」
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