...眼を背くるの抽象は吾人の精神に搖籃の歌を唱ふの天使となるのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...木村の持って来た果物(くだもの)をありったけ籃(かご)につめて...
有島武郎 「或る女」
...揺籃(ようらん)の前で道は二つに分かれ...
有島武郎 「二つの道」
...野花をうざうざするほど摘み集めた見覚えのある経木の手籃が放り出された...
有島武郎 「フランセスの顔」
...彼女は手籃を引きよせて...
有島武郎 「フランセスの顔」
...いにしへベトレヘムの搖籃の上に照りし星にもたとへつべきさまなり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...『籃の中にもう一つ林檎があるよ...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...卓上に飯籃を投げ卸してプリプリ腹を立てた...
魯迅 井上紅梅訳 「風波」
...彼はその足元に置いてある魚籃を覗いて見た...
田中貢太郎 「蟇の血」
...母親の乗つてゐる籃輿の前後に附き添ふやうにしてのぼつて行つた...
田山録弥 「父親」
...爾来最後まで同所長事務取扱の職に留まってこの揺籃(ようらん)時代の研究所の進展に骨折っていた...
寺田寅彦 「工学博士末広恭二君」
...得も言えぬ女声の音調は汝を揺籃(ゆりかご)に揺すり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...余は一つ取つて籃に刺してあつた庖丁でむいて見たら液汁の滴る甘い梨であつた...
長塚節 「佐渡が島」
...女は籃を椽の上へ置いて...
夏目漱石 「三四郎」
...籃を取り巻いた連中は...
夏目漱石 「三四郎」
...さうして揺籃(ゆりかご)の中へ坊やを寝かして...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...青籃掛杖行...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...封建の揺籃(えうらん)恍惚(くわうこつ)たりし日本は頓(にはか)に覚めたり...
山路愛山 「明治文学史」
便利!手書き漢字入力検索