...春風は既に予が草堂の簷(のき)を吹いた...
芥川龍之介 「入社の辞」
...×今人を罵(ののし)るの危険なることは趙甌北(てうおうほく)の「簷曝雑記(えんばくざつき)」にその好例ありと言ふべし...
芥川龍之介 「八宝飯」
...「太爺!」阿Qは薄笑いしながら簷下(のきした)に立っていた...
魯迅 井上紅梅訳 「阿Q正伝」
...第五章簷(ひさし)にちかい庭の若楓が青く影をうつしている廊下を前にして...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...庫裡の簷下に額を集めて捜索の相談をしているところであった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...簷の雨音が一層はげしくなり...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...または簷を破られて傾きかけたままの姿を見せていた...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...木立の寂のある庭があって其の前に離屋(はなれ)になった小さな草葺の簷が見えた...
田中貢太郎 「人面瘡物語」
...その下宿の簷(のき)はぐらぐらとしてその柱に当りそうに動いていた...
田中貢太郎 「変災序記」
...それが地震で瓦を落した跡の簷のソギをばらばらと吹き飛ばしていた...
田中貢太郎 「変災序記」
...馬からおりて家来の者といっしょにその堂の簷下(のきした)へ入って雨や風を避けた...
田中貢太郎 「頼朝の最後」
...許宣は四聖観の簷下(のきした)へ往って立っていたが...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...ぎっしり簷を並べた民家の一方の簷下を歩いた...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...傘を渡すなり簷下に添うてとかとかと歩きだした...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...ただちに簷外(えんがい)に出で...
南方熊楠 「十二支考」
...傾きし簷端(のきば)の小窓開(あ)きて...
森鴎外 「うたかたの記」
...例の簷下に引き入れてあった屋台が...
森鴎外 「雁」
...半腹に鳳山亭としたる四阿屋(あずまや)の簷(のき)傾きたるあり...
森鴎外 「みちの記」
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