...けだし礼式の簡略なる...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...細長い老人の後姿(うしろすがた)は(それが何と押絵の老人そのままの姿であったか)簡略な柵の所で...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...この訳文甚(はなはだ)佶倔(きっくつ)にして作品の説明簡略なるがため当時の会場を記憶せざるものにはこれらの賛辞のいかなる板画についてなされたるや明かに知る由なし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...できるだけ簡略な言葉で父の病気の危篤(きとく)に陥りつつある旨(むね)も付け加えたが...
夏目漱石 「こころ」
...用は囲碁の招待か何かで返事にも及ばない程簡略なものであつたが...
夏目漱石 「それから」
...要するに複雑な内容を纏(まと)め得る程度以上に纏めた簡略な形式にして見せろと逼(せま)られるのだから困ります...
夏目漱石 「中味と形式」
...その代り多くは旅先の画端書(えはがき)に二三行の文句を書き込んだ簡略なものに過ぎなかった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...言葉はなるべく簡略なるがよいというのも無理ならぬ説なれども...
新渡戸稲造 「自警録」
...室町末期における西洋人の簡略な記述によっても...
橋本進吉 「国語音韻の変遷」
...と、いふと、アツパツパ礼讚はどうしたといはれもするが、ここにいふ、日本の平服のよさは、もつとも簡略な、細い帯とゆかたが代表するきものをいつてゐるので、家庭用以外のものではなく、アツパツパの方は働く女と、これからの生活に、時代を意識していつてゐるので、鎖国的平和時代がまた来るものではなし、その時代に発達したきものが、これからの激しい時代に、そのままでよい筈もない...
長谷川時雨 「きもの」
...或(あるい)は公債を書替える極(ごく)簡略な法...
二葉亭四迷 「浮雲」
...しかし醤油を一々検査して以前の品物と違うか違わないかという事を見出すのは随分面倒でしょう」お登和「イイエ簡略な検査法は少しも面倒な事がありません...
村井弦斎 「食道楽」
...必ず田の水口の簡略なる祭壇に...
柳田国男 「海上の道」
...多分はそこに簡略な藁(わら)の仮小屋を作り...
柳田国男 「年中行事覚書」
...そまつな簡略な紙の小幟(このぼり)ばかりであった...
柳田国男 「母の手毬歌」
...床次という名字の由来簡略ながら名字の本論はこれで終った...
柳田國男 「名字の話」
...設備は簡略ながら想像してゐたよりも小綺麗である...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...簡略ながら東寔の略伝を何かから索いて親切に書き添えてくれた...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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