...篤実な人心が見えるやうな気がする...
芥川龍之介 「本の事」
...信教篤実なりと認定するに至る...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...また他の器物を打毀(うちこわ)すこともなく温厚篤実な有徳(うとく)の紳士として生涯を終ったようである...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...(篤実なる田崎にてはらち明かずと思えるなり)...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...三枝氏は一方篤実な研究家であるのだが...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...その篤実な考察の合間合間に顔を出すのではないかと思う...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...今まで見ていた通りの篤実なおやじで...
中里介山 「大菩薩峠」
...もし篤実な学者があって...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...五十五六の篤実な顔立ち...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……わたくしはムッシュウ・ヤマカワが道徳社会学を専門にやっていられる篤実な学者(サヴァン)だということをよく知っているんです...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...見るからに篤実なようすをしていた...
久生十蘭 「だいこん」
...此の Adolph Hotelling 長老――何と穏厚篤実な信心家! ――実に穏厚な活躍であったことを突き留めたのは...
牧逸馬 「双面獣」
...学生達からは人望が有って――それがこんなふうになってと――いまだに温厚篤実な学者かあ...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...渡辺は色の白い、少し歯の出た、温順篤実な男で、年齢は僅(わづか)に四十を越したばかりであつた...
森鴎外 「大塩平八郎」
...何とかして終りを全うさせてやりたい篤実な学者であった...
柳田国男 「故郷七十年」
...篤実なる農民とても...
柳田国男 「雪国の春」
...依田の父らしく篤実な筆つきで書いてあった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...「米谷は口のかたい篤実な人だ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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