...篤実な人心が見えるやうな気がする...
芥川龍之介 「本の事」
...原始人の恭敬篤実なこころにかえり...
谷譲次 「踊る地平線」
...(篤実なる田崎にてはらち明かずと思えるなり)...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...三枝氏は一方篤実な研究家であるのだが...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...その篤実な考察の合間合間に顔を出すのではないかと思う...
戸坂潤 「『唯研ニュース』」
...今まで見ていた通りの篤実なおやじで...
中里介山 「大菩薩峠」
...もし篤実な学者があって...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...……お沢は篤実な女で...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...五十五六の篤実な顔立ち...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...……わたくしはムッシュウ・ヤマカワが道徳社会学を専門にやっていられる篤実な学者(サヴァン)だということをよく知っているんです...
久生十蘭 「犂氏の友情」
...此の Adolph Hotelling 長老――何と穏厚篤実な信心家! ――実に穏厚な活躍であったことを突き留めたのは...
牧逸馬 「双面獣」
...極頑固な、極篤実な、敬神家や道学先生と、なんの択ぶところもない...
森鴎外 「かのように」
...悉くが便りになる篤実な伴侶である...
柳宗悦 「雑器の美」
...何とかして終りを全うさせてやりたい篤実な学者であった...
柳田国男 「故郷七十年」
...依田の父らしく篤実な筆つきで書いてあった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...と文吉は篤実な口ぶりで云った...
山本周五郎 「風流太平記」
...その篤実な志に御感心なすったのであろう...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...ただ篤実な長者でしかない」馬鹿といわないばかりに...
吉川英治 「三国志」
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