...この無題の小説は、泉先生逝去後、机邊の篋底に、夫人の見出されしものにして、いつ頃書かれしものか、これにて完結のものか、はたまた未完結のものか、今はあきらかにする術なきものなり...
泉鏡花 「遺稿」
...手紙は多分三山の遺篋(いきょう)の中に残ってるかも知れない...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...足利時代(あしかゞじだい)の寶篋印塔(ほうきよういんとう)の一部等(ぶとう)で...
江見水蔭 「探檢實記 地中の秘密」
...それは何冊かの日記になって今もなお篋底(きょうてい)に残って居る...
高浜虚子 「子規居士と余」
...綉羅(うすぎぬ)の銭篋(ぜにばこ)を差しあげますと...
田中貢太郎 「緑衣人伝」
...仲尼(ちゆうぢ)の智も篋中(けふちゆう)の物を知る能はず云々」の句のある一書を菅公に呈して...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...と遺言(ゆいごん)したとか言伝えられた堅固な姫路革(ひめじがわ)の篋(はこ)があった...
永井荷風 「榎物語」
...その時の住持(じゅうじ)は錠前を打破(うちこわ)して篋をあけて見た...
永井荷風 「榎物語」
...書篋の蓋の破れしをつくろひ...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...今だに自分の手篋(てばこ)の底に保存されてある...
永井荷風 「夏の町」
...光線の強い焦點(せうてん)はピストルの裝彈篋(さうだんきやう)を熱した...
南部修太郎 「探偵小説の魅力」
...女院は花篋肘にかけ花摘みに行かれた留守であつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
......
牧野富太郎 「植物一日一題」
...かつて書三篋を亡(うしな)う...
南方熊楠 「失うた帳面を記憶力で書き復した人」
...一〇一頁)予が在英中親交したロバート・ダグラス男が玉篋卦てふ占ひ書から譯した文をタイラーの原始人文篇...
南方熊楠 「人柱の話」
...起居不自由なる蘭軒が篋(けふひ)の便を藉ることの多かつたのは...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...榛軒は方纔篋(はうざんけふ)を探つて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...土の色も宝篋印塔(ほうきょういんとう)の石もまだ新しい等持院殿仁山妙義大居士の墓所へ順にぬかずいた...
吉川英治 「私本太平記」
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