...時節がら一般の気うけが好(よ)かろう...
泉鏡花 「薄紅梅」
...「利助どんも大分に評判がえいからおれもすっかり安心してるよ、もう狂(あば)れ出すような事あんめいね」「そうですよ伯父さん、わたしも一頃は余程迷ったから、伯父さんに心配させましたが、去年の春頃から大へん真面目になりましてね、今年などは身上(しんしょう)もちっとは残りそうですよ、金で残らなくてもあの、小牛二つ育てあげればって、此節は伯父さん、一朝に二かつぎ位草を刈りますよ、今の了簡(りょうけん)でいってくれればえいと思いますがね」「実の処おれは、それを聞きたさに今日も寄ったのだ、そういう話を聞くのがおれには何よりの御馳走だ、うんお前も仕合せになった」こんな訳で話はそれからそれと続く、利助の馬鹿を尽した事から、二人が殺すの活(いか)すのと幾度も大喧嘩(おおげんか)をやった話もあった、それでも終いには利助から、おれがあやまるから仲直りをしてくろて云い出し誰れの世話にもならず、二人で仲直りした話は可笑しかった...
伊藤左千夫 「姪子」
...今も昔のごとく薄給(はっきゅう)に甘(あま)んじ下男同様の粗衣(そい)粗食を受け収入の全額を挙げて春琴の用に供したその他経済を切り詰めるため奉公人の数を減らし色々の点で節約したけれども彼女の慰安(いあん)には何一つ遺漏(いろう)のないようにした故(ゆえ)に盲目になってからの彼の労苦は以前に倍加した...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...庵には節季もなく...
種田山頭火 「其中日記」
...私見によるとおそらくこれは四拍子の音楽的拍節に語句を配しつつ語句と語句との間に適当な休止を塩梅(あんばい)する際に自然にできあがった口調から発生したものではないかと想像されるのであるが...
寺田寅彦 「俳句の精神」
...かかる全体は部分の単なる集合でもなく又内的分節を有たない単なる一般者でもない...
戸坂潤 「辞典」
...あきんどの節季や...
外村繁 「澪標」
...頭巾を冠(かぶ)る期節(きせつ)でもなければ...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...その一つの節は「黒坊のいたずら小僧」と云うのでした...
宮本百合子訳 「二つの短い話」
...その後焦点が紛糾しすぎてちょっと分りにくくなった節もありますが...
原民喜 「ある手紙」
...我々が構成する「能力」と「効果」の観念に関する後述(第十四節)の所見を先取りしてもよいのならば...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...季節は丁度今時分で...
正宗白鳥 「月を見ながら」
...お節は涙をボロボロこぼしながら...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...父は草花がすきで茶棚には季節の花がいつも挿されてあった...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...氣節のある人が志を得ないでゐたのに...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...彼の共和国の保持者たちに対して節制や勇気とともに美があることを願った...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...節制することは困難だけれど...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ことに日本の周辺地域のような、小さな区画の中に現出する色々の変化、風が季節により、潮(しお)が刻限に伴(とも)のうて、おおよそどの程度に船の歩みを助け妨げ、または強制しているかということは、永い歳月に亙(わた)ってただ生死を是(これ)に托している人たちだけが、命をかけて体験しているに過ぎなかった...
柳田国男 「海上の道」
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