...「イヤあの箱枕(はこまくら)を此柱(このはしら)へうちつけて立(た)ちながら寢(ね)るつもりだ...
泉鏡太郎 「大阪まで」
...男枕の横に女の箱枕も置いてある...
外村繁 「澪標」
...箱枕なら、独身者に色気まで添えてくれる...
豊島与志雄 「聖女人像」
...真赤な箱枕を取り出した...
豊島与志雄 「聖女人像」
...箱枕を私のそばに投げだしたのだ...
豊島与志雄 「聖女人像」
...――私は箱枕に後頭部を押しつけ...
豊島与志雄 「聖女人像」
...まもなく一つの箱枕を持って来た清澄の茂太郎は...
中里介山 「大菩薩峠」
...少なくとも、君は僕より年が幾つか上だ、先輩だと思って尊敬して聞くから、何でも話してくれ給え、それを身にするか、骨にするかは、こっちの聞き方一つなんだ、悪口、結構、惚気をやるも苦しくない――話し給え、話し給え、こっちは聞き役だ」と兵馬は、かなり歯切れよく言いましたものですから、女も諦(あきら)めたと見えて、「それでは一つ、面白い話をして聞かせますから、聴いて頂戴――」と言って、腹ばっていた女は煙管をほうり投げて、くるりと寝返りを打ち、箱枕を、思いきってたっぷりした島田くずしの髱(たぼ)で埋めて、蒲団をかき上げるようにして、ちょうど兵馬の坐っている方とは後向きに寝相を換えたのですが、その時、肩から背筋までが、わざと衣紋(えもん)を抜いたように現われたのを、そのまま、あちら向きで話しかけました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ランプが消えて家のうちが全く闇くなつた時ぱさ/\と復た蚊帳の裾をあふる音がしてさうして箱枕がぎり/\と微かに鳴つた...
長塚節 「開業醫」
...箱枕(はこまくら)の括(くゝ)りは紙(かみ)で包(つゝ)んでないばかりでなく...
長塚節 「土」
...赤い箱枕(はこまくら)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...懐紙を掛けた、赤い箱枕、八五郎には馴れない代物(しろもの)ですが、娘の髪の匂いが沁みて、独り者の八五郎には、これも妙に悩ましい代物です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...箱枕じゃないか」取出したのは朱塗りの女枕...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...高下駄のような感じの黒い箱枕がちんと二ツならんで...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...朱の剥げ落ちた箱枕が...
火野葦平 「花と龍」
...母さんが悪かったこと」箱枕に額を伏せて泣いていた母は袖口でこっそりと眼を拭くと...
矢田津世子 「女心拾遺」
...箱枕をして横になっていたが...
山本周五郎 「薊」
...枕も箱枕ではなく...
山本周五郎 「屏風はたたまれた」
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