...大家の箱入り娘、がんこにはねつけているジャジャ馬女、あるいはご友人の奥さま、女社長、女学者、どんな地位の人でも、むずかしければむずかしいほどけっこうです...
江戸川乱歩 「影男」
...ある一つの大きな台に積上げた品物を何かとよく見るとそれがことごとく石鹸の箱入りであった...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...ガラス箱入りの大人形などを置きたり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...箱入りの包みを持って来た主人の声に相違ないから...
中里介山 「大菩薩峠」
...伊太夫の髑髏(どくろ)の間の枕許の古代切の箱入りの包でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...大きな箱入りの札目録(ふだもくろく)を...
夏目漱石 「三四郎」
...「何か聞出したのか」「お隣の長崎屋――あの万両分限の箱入り娘お喜多が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それは大家(たいけ)の箱入り娘と...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...もとより箱入りの生娘(きむすめ)ならねば少しは察してもゐて下さろうが...
樋口一葉 「にごりえ」
...上等なのは、桐の箱入りで、デコレーションの附いた、スポンジケーキが、ギッシリと詰っていて、その上へ、ザーッと、小さな銀の粒や、小さな苺(いちご)の形をしたキャンディーが掛けてあった...
古川緑波 「甘話休題」
...箱入りの天ぷら、海老に、はぜ、穴子、そして、はしらのかきあげ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...赤い布をしいてガラス箱入りの人形が飾ってありました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...当分は箱入り女房ってことにしとくつもりですよ」「夫婦となればね」と彼はまた云う...
山本周五郎 「季節のない街」
...くに子のやつはまあ箱入り女房さね...
山本周五郎 「季節のない街」
...箱入り同様に育てられたので...
山本周五郎 「季節のない街」
...主計の「箱入り女房」という言葉がぴったりするように思えた...
山本周五郎 「古今集巻之五」
...硝子(ガラス)箱入り――(曹洞宗布教師作)私は...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...箱入りの鉛の兵隊――今やまさに戦争をしようとしているところだ...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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