...その子供たちは餌を使い果たしたのか、人の魚籠(びく)を見て廻ったり、脚を組んで沖を眺めたり、そんなことばかりしていたんだが――、ふと僕は餌をつけかえようとして、傍の餌箱を見た...
梅崎春生 「魚の餌」
...渦巻(うずまき)カステラの類(たぐ)いを収めたガラスの菓子箱がならんでいる...
高見順 「如何なる星の下に」
...熊手には宝船、的矢、玉茎、金箱、米俵、お多福面、戎大黒(えびすだいこく)などが飾り付けてあるが、これが千差万別で、どれが出船でどれが入船か見たところではさっぱりわからない...
高見順 「如何なる星の下に」
...金色の二つの蝙蝠が飛んである緑いろの小さな紙箱はそこから出た...
太宰治 「思ひ出」
...」黒い箱を、うちポケットから出して、「みなのむと、死にますよ...
太宰治 「火の鳥」
...妻がその後から黙ってタキシーの箱の中へ収まって...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...わずかな嵩(かさ)で一つの小箱に納めることができた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その一間へ悠々とお賽銭箱を卸(おろ)した七兵衛は...
中里介山 「大菩薩峠」
...賽錢(さいせん)箱が無事で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...箱から抜かれたのを...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...汚れた箱枕をあてがわれて...
林芙美子 「新版 放浪記」
...回転庖丁のついた箱を通って幅二吋(インチ)半の切身となって受桶へ落ちてくる...
久生十蘭 「南部の鼻曲り」
...箱の中での奇妙な生活が...
火野葦平 「花と龍」
...お内儀さんは敷島の箱を六つ私の前に置いて『すみませんがこれでお帰り下さい』と言うのです...
平林初之輔 「悪魔の聖壇」
...藥の入つた箱を海ん中へほうり込むんだそうです...
三好十郎 「肌の匂い」
...彼女は一家の着るものから調度の類、諸儀式の器物、塗籠(ぬりごめ)にある品々、とりわけ青年の身のまわりの物はすべて筒井が見ていて、筒井がいなければ一家の器物の一つを尋ねるに、全部の長持や箱、棚の中を捜さなければならなかった...
室生犀星 「津の国人」
...箱は黒檀でしょう...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...まず旧永代(えいたい)は無論木橋でやや上流の箱崎町寄り...
山本笑月 「明治世相百話」
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