...おろかや波はマリヤのまばゆきみあしのいきだはしき大洋の口を箝(かん)し得ると知らずや...
アルテュル・ランボオ 上田敏訳 「醉ひどれ船」
...それに小さな針鉄(はりがね)の輪を箝(は)めて...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...開いた口の中には時計が箝(は)め込んであった...
辰野隆 「汝自身を知れ」
...いつもけい庵(あん)に箝(は)め玉(ぎょく)ばかりされていた...
徳田秋声 「縮図」
...延いて政治的思想的言論全般に就いての箝口令を意味している...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...この新聞紙反動化現象は社内幹部の自発的な決心によるものでもあるが(例えば自分の新聞紙以外のジャーナリズムに於て記者は言論を発表してはならぬという箝口令が社内で下された――恰度軍人は軍部大臣を通じて大蔵省の官吏は蔵相か次官を通じてしか物を云ってはならぬということになったように)...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...否箝口令が実施されるに至ったと云った方がよいだろう...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...意けだし此(ここ)を以てその束縛箝制(かんせい)を受けたる奴隷囚虜の属に別たんと欲するなり...
中江兆民 「『東洋自由新聞』第一号社説」
...これを外にしては政府教門の箝制する所とならず...
中江兆民 「『東洋自由新聞』第一号社説」
...一々の俳句作品に就いてそつくりそのまま当箝まることではないけれども...
中原中也 「新短歌に就いて」
...余り善良なものは却つて悪(あく)人であるかの如く怯(おび)えるものだといふシヱクスピヤの言事は高橋に当箝(はま)るだらう...
中原中也 「高橋新吉論」
...人がわが口を箝(かん)するからである...
夏目漱石 「野分」
...七輪へかけるなら辷(すべ)らないように木の枠を七輪の方へ箝(は)めればよし...
村井弦斎 「食道楽」
...四角に見えたる食卓ながら横に板を抽(ぬ)き出(だ)して支えの腕木を箝(は)めければ忽(たち)まち長方形の大なる食卓と変じぬ...
村井弦斎 「食道楽」
...ちょうどスープ鍋が半分ほどスポリと箝(はま)るようになって上の方に小さな孔(あな)がポツポツ明(あ)いている...
村井弦斎 「食道楽」
...それにスポリと箝って火気が決して外へ散らん...
村井弦斎 「食道楽」
...それから鍋をスポリと箝めるが一旦火になった炭だから決して消えない...
村井弦斎 「食道楽」
...更に後になると厳密な箝口令を敷く必要が出てきたのだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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