...ぽんと言ふやうに釣瓶(つるべ)の箍(たが)が嚔(くさめ)をした...
泉鏡花 「雨ばけ」
...かの将(まさ)に倒れんとする老樹を辛うじて支ふる鉄の箍(たが)の如きものではないのである...
エレン・ケイ 伊藤野枝訳 「恋愛と道徳」
...張箍(はりわ)の女袴(をんなばかま)を穿(は)いた官女(くわんぢよ)よ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...箍(たが)がはじけ...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...そういう機会に平生の箍(たが)をはずして...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...ジャヴェルはいわゆる「箍(たが)を外(はず)して」いたに違いない...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...皆横に打ちつけた長い鉄の箍(たが)で止めてあった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...真鍮の箍(たが)をたくさんはめた盥みたいなもののまはりに日の丸の小旗がぐるりとたつて...
中勘助 「銀の匙」
...しきりに桶の箍(たが)をはめているところでしたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...笑神経の箍(たが)がゆるんだのか...
中里介山 「大菩薩峠」
...余は此を聞いてさつき博勞をたづねる時分に大桶へ箍をを」]打込んで居た桶屋のことを思ひ出してあゝいふ職人仲間にこんなものがあるのかとゆかしい心持を禁じえなかつた...
長塚節 「佐渡が島」
...金箍棒(きんこぼう)や羅刹女(らせつにょ)の芭蕉扇(ばしょうせん)をありありと目に見た子供は...
中谷宇吉郎 「簪を挿した蛇」
...奮発の箍(たが)がしだいしだいに緩(ゆる)んだのもたしかな事実である...
夏目漱石 「坑夫」
...箍(たが)のはじけた桶のやうに手のつけやうの無い笑ひを湛(たゝ)へ乍ら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...又或は竹を割って桶(おけ)の箍(たが)を入れるような事から...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...そして鉄の箍(たが)を脱(はず)すように...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...また同じ町で白木で箍(たが)の入った桶類によい形のを見かけます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...銅(あか)の箍(たが)がかかっていた...
山本周五郎 「青べか物語」
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