...名も知らぬ灌木(くわんぼく)の叢生した箇処(ところ)がある...
石川啄木 「札幌」
...一箇処のみか二三箇処...
泉鏡花 「活人形」
...あるいは書足した箇処もあるが...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...左(と)に右(か)く春廼舎の技巧や思想の歯癢(はがゆ)さに堪えられなくなった結果が『小説神髄』の疑問の箇処々々に不審紙を貼(は)ったのを携えて突然春廼舎の門を叩いた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...床は数箇処砂地の面から一フートないし一フート半も高くなっていた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...数箇処掘出返し見るに皆同じ...
高木敏雄 「比較神話学」
...波のひくのを待つて素早く通り抜けなければならぬところが幾箇処もあつたのだからね...
太宰治 「津軽」
...それからあの出水の箇処に書いたことを私の実際の経験であるやうに誤信してゐる人もあるやうに聞くが...
谷崎潤一郎 「「細雪」回顧」
...それにも拘らず溺死者の死体は外に怪しい箇処(ところ)も無いので...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...星標★を附した箇処の語句には巻末に註を附して...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...「昔し昔しナポレオンの乱にオランダ国の運命は断絶して本国は申するに及ばずインド地方まで悉(ことごと)く取られてしまって国旗を挙げる場所がなくなった所が世界中纔(わず)かに一箇処を残したソレは即ち日本長崎の出島である...
服部之総 「福沢諭吉」
...左手の中指と三箇処に...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...停留所で電車を待っているとのこと――まるで一個のルウス・ジュッドが同時に何箇処にも現れている有様で...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...前の本の或箇処はこの本で一層はっきりとされるし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...こういう箇処(自然科学が十八世紀は蒐集の学...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...私の注意する箇処を見ていて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...一箇処繩で摩(す)られて...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...これまた越後にも一箇処あって...
柳田国男 「山の人生」
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