...気の勢か筬の音もどうやら此蛙の声と競ひ気味に高まつて来る...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...突然筬の音に交つて唄が聞こえる...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...今日塔から見下ろした時の事やを回想しつゝ筬の音に耳を澄まして居る...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...終に暫くの間は筬の音も耳に入らぬやうになつて稿を終つた...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...筬の音はまだ聞こえて居る...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...とんからりと云う筬(おさ)の音...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...機(はた)を織る筬(おさ)の音が...
中里介山 「大菩薩峠」
...比丘尼の手を見たか」「手がどうかなっていましたか」「手に筬胼胝(おさだこ)ができている...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...どこからか機(はた)を織る筬の音と低い機織唄がきこえて来る...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...沖仲仕が渡(わたり)板を渡って筬(おさ)のように船と陸とを往来(ゆきき)する...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...筬(おさ)を打つ音で旅びとの心を慰めてくれるような若い娘などひとりもいまい...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...聲を限りに呼びながら双つの腕を筬のやうになげうつた...
牧野信一 「緑の軍港」
...下の爺自分の筬に入った小犬を持ち還り成長せしむると...
南方熊楠 「十二支考」
...島を訪(おとの)うと筬(おさ)の音をほとんど戸毎(ごと)に聞くでありましょう...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...長筬(ながおさ)・広筬・三枚オサ等の地名もある...
柳田國男 「地名の研究」
...筬石(おさいし)...
柳田國男 「日本の伝説」
...笛の孔に無心な指の律動を筬(おさ)のように弾ませていらっしゃるそのお手のなんとも大きなことだった...
吉川英治 「私本太平記」
...筬(おさ)の音もしないし...
吉川英治 「宮本武蔵」
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