...「その母様(おっかさん)と云うのは、四十余りの、あの、若造りで、ちょいとお化粧なんぞして、細面(ほそおもて)の、鼻筋の通った、何だか権式の高い、違って?」「まったく...
泉鏡花 「婦系図」
...しかも上品に衣紋(えもん)正しく、黒八丈(くろはち)の襟を合わせて、色の浅黒い、鼻筋の通った、目に恐ろしく威のある、品のある、[#「、」は底本では「...
泉鏡花 「婦系図」
...婦人は、しきりに、その独語に巧妙な同胞の、鼻筋の通った、細表の、色の浅黒い、眉のやや迫った男の、少々(わかわか)しい口許(くちもと)と、心の透通るような眼光(まなざし)を見て、ともすれば我を忘れるばかりになるので、小児(こども)は手が空いたが、もう腹は出来たり、退屈らしく皿の中へ、指でくるくると環(わ)を描(か)いた...
泉鏡花 「婦系図」
...もっとも文章論と申すほどな筋の通ったものではない...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...もしその顔のまん中に鼻筋の通った...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...面長(おもなが)の色白で、鼻筋の通った、口元の優しい男である...
徳田秋声 「新世帯」
...筋の通った鼻などの上に...
徳田秋声 「爛」
...彼の夢は筋の通った話ではなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...筋の通った理屈に合ったものでしたけれど...
豊島与志雄 「自由人」
...髪を一束につかねた、黒っぽい洋装の娘が、沈鬱な眼をあげると、鼻筋の通った、口元の締った美しい顔が、異常な魅力を発散して、一座の人を惑乱しそうです...
野村胡堂 「死の予告」
...最初は筋の通った事を一つも言いません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...筋の通った立派な品で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...筋の通った蘭方医などある筈もないのですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...常にああした乱舞をしている二人の間にはやはり筋の通った芝居が必要だったのだ...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...筋の通った将来の計画も誠意もなしに演説している者を...
宮本百合子 「幸福のために」
...筋の通ったなんぞと...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...ちょっと考えますと筋の通った非難で...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...かくは木戸を叩きなど致しませぬ」筋の通ったことばである...
吉川英治 「新書太閤記」
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