...殊に今度の次の内閣には国務大臣にならるゝ筈ぢやから牛飼君の客(かく)となるは将に大いに驥足(きそく)を伸ぶべき道ぢや...
内田魯庵 「貧書生」
...女人の姓を明かにしたものの發表はさしひかへ他の遺書と火中に投じた筈であつたのが...
小穴隆一 「二つの繪」
...湧き出づべき筈は無けれど...
大町桂月 「夜の高尾山」
...一生を棒に振つても悔(く)いないだけの学者が出なければならぬ筈だ...
薄田泣菫 「茶話」
...愛書家の病がそれで癒(な)おる筈もない...
辰野隆 「愛書癖」
...まだ完全な自然主義は打立てられてゐなかつた筈である...
田山録弥 「エンジンの響」
...だからこの事情はこの折角の批評が自己分解しなければならない根拠などになる筈はなかったのである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...空間とこの内容とは必ず常に結び付いている筈であり従って第三者に於て両者が成り立つのであるという結論か...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...たいていホテルにいる筈だ...
豊島与志雄 「秦の憂愁」
...百姓は此の川に架つて居るのは土橋であるといつたがこんな長い土橋があらう筈がない...
長塚節 「松蟲草」
...これほど強く打つ筈もなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...思ひの外早く濕(しめ)した筈ですが――」燒け殘つた柱や床の中にあるのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まのあたり見える筈の山らしいものは影も形も見えなかった...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...「検校の評がたしかならこんな席で弾く筈はない...
山本周五郎 「日本婦道記」
...侵された僅かな谷地(やち)よりも重大な筈である...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...たしかにあの晩は闇夜だった筈なんで……ところが又...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...御座いましたら主人が出がけに申残して行く筈ですが...
夢野久作 「殺人迷路」
...屡共に顔を見られた筈ながら交際は無かつたのである...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
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