...筆太に「禁芸術売買」としたのがきざんである...
石川欣一 「山を思う」
...勢のよい筆太の〆が殆んど全體に書かれて...
石川啄木 「雲は天才である」
...(濱野お利代殿)と筆太に書かれて...
石川啄木 「鳥影」
...迷故(めいこ)三界城(さんがいじょう)悟故(ごこ)十方空(じっぽうくう)本来(ほんらい)無東西(むとうざい)何処(かしょ)有南北(うなんぼく)―――笠の四方にそう筆太(ふでぶと)に記してある文字が...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...筆太に彩っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...それを思い切って筆太に書いた下には...
中里介山 「大菩薩峠」
...行き行きて、この二人が、例の芝居小屋の前まで来ると、数日まえの景気はなく、立看板に筆太く、「大衆演劇、近日開場」と書いてありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...佐原屋と佐倉屋と和泉屋の名を筆太にグイと胡粉で抹殺してある...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...アトリヱの扉に筆太の文字を落書きして行つたりした...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...その部屋の三方には祝入営竜巻雪太郎君と筆太に認められた幟の幕に囲まれてゐた...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...私の部屋の壁には木炭紙に筆太に誌した大きな価格表が掲げられてあつた...
牧野信一 「真夏の朝のひとゝき」
...此へ灯が入り筆太のびら字がぼつと浮上がる塩梅も亦...
正岡容 「寄席風流」
...(筆をとり上げて奉書に筆太に何か書く)仙太 ありがとう存じまする...
三好十郎 「斬られの仙太」
...と筆太に書いた紙札が茶屋の軒先に門並はられて...
山本笑月 「明治世相百話」
...その廊下の突当りに「出入厳禁……医学部長」と筆太に書いた白紙を貼り附けた茶褐色の扉が見えた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...ひときわ筆太(ふでぶと)に署名されてある...
吉川英治 「三国志」
...会場に出ていたあの筆太な宗盛の書簡の前に...
吉川英治 「随筆 新平家」
...筆太に、濃い墨で、とっぷりと大胆に――が、どこか無邪気で、稚(おさな)いところをみせ、一気に、豊国大明神(ほうこくだいみょうじん)と書きくだしてあるのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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