...『三月三日この池より竜昇らんずるなり』と筆太に書いた建札を...
芥川龍之介 「竜」
...(濱野お利代殿)と筆太に書かれて...
石川啄木 「鳥影」
...足尾銅山鉱業停止請願事務所と筆太に書かれた大きな門札が掲げられた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...「何々講」と講中の名を筆太に記した提灯を...
谷崎潤一郎 「二月堂の夕」
...「きしやにちゆういすべし」と筆太に書かれてあります...
土田耕平 「騎士屋」
...墨黒々と筆太(ふでぶと)に霊場敷地展望台と洋紙(ようし)に書いて張ったのが...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...筆太に彩っていた...
直木三十五 「南国太平記」
...「甲源一刀流祖逸見(へんみ)太四郎義利孫逸見利泰(よしとしそんへんみとしやす)……」筆太に記された文字を...
中里介山 「大菩薩峠」
...佐原屋と佐倉屋と和泉屋の名を筆太にグイと胡粉で抹殺してある...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...まるで憤つたやうな筆太の達筆で――貴兄御飼育の鵞鳥と同様に……云々といふ文字が読まれた...
牧野信一 「鵞鳥の家」
...その絵を描いてゐる時のこと――私は七郎丸と称ふ漁家の家号がくゞり戸の障子に筆太に誌してあるその友達の家が撥釣瓶(はねつるべ)のある竹籔の傍らをまはつて突当りの凹地の日溜りに...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...アトリヱの扉に筆太の文字を落書きして行つたりした...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...その部屋の三方には祝入営竜巻雪太郎君と筆太に認められた幟の幕に囲まれてゐた...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...圓太郎御師様と特別に筆太に書かれてあった...
正岡容 「小説 圓朝」
...……あの空っ風の晩の「桂文楽」と筆太にしたためた宮志多亭の招き行燈が...
正岡容 「小説 圓朝」
...」と筆太(ふでぶと)に大きく書いた...
眞山青果 「茗荷畠」
...大方どこぞよりきた手紙らしいペン字で書いた罫紙の裏へ筆太に書かれた返事には...
矢田津世子 「旅役者の妻より」
...筆太に、濃い墨で、とっぷりと大胆に――が、どこか無邪気で、稚(おさな)いところをみせ、一気に、豊国大明神(ほうこくだいみょうじん)と書きくだしてあるのである...
吉川英治 「宮本武蔵」
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