...胡笳(こか)の悲(かなしみ)も又然らん...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...感極まりて氣も遙か聞けば魏軍の夜半の陣一曲遠し悲笳の聲...
土井晩翠 「天地有情」
...いわば二人の合作の新楽器ですから、支那のいわゆる蘆管――遼東の小児の弄(もてあそ)ぶそれとは違っているかも知れません」「胡笳(こか)というのとは、違いますか」「それは違いましょう、笳というのは、ヒチリキの異名だそうですが、胡笳というのは、いかなる笛かよく知りませんが、蒼涼(そうりょう)たる原始的の響きがあるものとは想像されます――君聞かずや胡笳の声最も悲しきを、紫髯緑眼(しぜんりょくがん)の胡人吹く、これを吹いてなお未だ終らざるに、愁殺す楼蘭征戍(ろうらんせいじゅ)の児……」と田山白雲が吟声に落ちて行くところは、御当人が茂太郎を笑いながら、御当人自身も、茂太郎にかぶれたところがあるようにも思われる...
中里介山 「大菩薩峠」
...その胡笳の詩を最後までおうたい下さい」「やってみましょうか」そこで駒井がこころもち先に立ち...
中里介山 「大菩薩峠」
...月斜めならんと欲す胡人月に向うて胡笳を吹く胡歌の怨(うら)みまさに君を送らんとす泰山遥かに望む隴山(ろうざん)の雲辺城夜々愁夢多し月に向うて胡笳誰か喜び聞かん「なるほど――」それを聞いた駒井は...
中里介山 「大菩薩峠」
...それは同じく胡笳の歌をえらぶよりは...
中里介山 「大菩薩峠」
...遠く山上の敵塁から胡笳(こか)の声が響く...
中島敦 「李陵」
...しかし露伴先生がそれよりもさらに愛敬されたのは寅彦の学問であって、「君に篳篥(ひちりき)、笳の談をし、君から音波と物質分子位置の変化との関係をきく」ような静かな清談を楽しみとされたようである...
中谷宇吉郎 「露伴先生と科学」
...笳(か)という笛を聴くたびに...
吉川英治 「三国志」
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