...然るにお前はよくこの第一義の要求を忘れてしまって...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...もっともこれらの人の名はすでになかば歴史的に固定しているのであるからしかたがないとしても、我々はさらに、現実暴露(ばくろ)、無解決、平面描写、劃一(かくいつ)線の態度等の言葉によって表わされた科学的、運命論的、静止的、自己否定的の内容が、その後ようやく、第一義慾とか、人生批評とか、主観の権威とか、自然主義中の浪漫的分子とかいう言葉によって表さるる活動的、自己主張的の内容に変ってきたことや、荷風氏が自然主義者によって推讃(すいさん)の辞を贈られたことや、今度また「自己主張の思想としての自然主義」という論文を読まされたことなどを、どういう手続をもって承認すればいいのであるか...
石川啄木 「時代閉塞の現状」
...国内改革のほうを第一義と見ている...
高見順 「いやな感じ」
...本当に第一義的にこの人生と人間とに触れる...
田山録弥 「三月の創作」
...芸術の根本義である第一義的のところまで進んで行くことが出来ない...
田山録弥 「小説新論」
...自然の不思議への憧憬(どうけい)を吹き込む事が第一義ではあるまいか...
寺田寅彦 「化け物の進化」
...実はその専門の学問の一番エレメンタリーな第一義がまるで分かっていないというスペシァリストは愚か大家さえ出来るという実に不思議な可能性が成立するのである...
寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
...時間を第一義的に例の現象学的時間と考えることから由来する...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...ある意味において第一義だ...
夏目漱石 「虞美人草」
...君の腹にある壮快が第一義に活動して...
夏目漱石 「虞美人草」
...そうしてその余裕は生死以上に第一義を置くから出てくる...
「高浜虚子著『鶏頭』序」
...なぜなら文學する精神の第一義で...
萩原朔太郎 「悲しき決鬪」
...真の詩が有する第一義感の要素と符節し...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...探偵小説として第一義的なものに成功したことになる...
平林初之輔 「「陰獣」その他」
...第一義のまえには親を滅してもよいと思っていました...
山本周五郎 「風流太平記」
...終りを知ることこれ武士の第一義じゃ...
吉川英治 「剣難女難」
...第一義のものではない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...驢馬の顋を驢馬の顋とする世俗諦を超脱して第一義諦に立つゆえでない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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