...雷(いかずち)は彼の声にして嵐は彼の口笛なり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...ぴいぴいと口笛をふきならしました...
海野十三 「電気鳩」
...・梨の花の明けてくる・咲いてゐる白げんげも摘んだこともあつたが・竹藪のしづもりを咲いてゐるもの・蕗をつみ蕗を煮てけさは麦笛ふく子もほがらかな里雑草ゆたかな春が来て逝く・播いてあたゝかな土にだかせる・おもひではあまずつぱいなつめの実・いらだたしい小鳥のうたの暮れてゆく・ぬいてもぬいても草の執着をぬく昨夜はとう/\徹夜...
種田山頭火 「其中日記」
...笛、笛、もう少し高く……ひょっとこ、ひょっとこ、思いきって手強く……」御当人も片肌をぬいでしまって、有合わせた提灯を高く高く振り廻して、屋台の上の踊り方にまで指図する...
中里介山 「大菩薩峠」
...懐の中には小さい竹笛が幾つか潜めてあるはずです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...喉笛(のどぶえ)の右側から始まつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...しやぐり上げる笛のやうな泣き聲...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...また笛を吹きました...
林芙美子 「鶴の笛」
...笛吹川(ふゑふきがは)の響(ひゞ)きに夢(ゆめ)むすび憂(う)く...
一葉女史 「ゆく雲」
...同じ時の作に 安政の松陰も乗せ船の笛出づとて鳴らばめでたかるべし ありし日の蓮台寺まで帰る身となりて下田を行くよしもがな などがある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...乗物町(のりものちょう)の師匠として聞えている笛の名人豊住又七(とよずみまたしち)が...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...天井を眺めて口笛を吹いた...
牧野信一 「環魚洞風景」
...もう笛(ふえ)を吹くのをやめて...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...「足軽の中に笛の上手な男がいます」と岡村七郎兵衛が云った...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...高い高い笛の音が聞こえて来ました...
夢野久作 「瓶詰地獄」
...月の夜(よ)に笛(ふえ)をすさびながら歩くのが好(す)きであった...
吉川英治 「神州天馬侠」
...騎馬の女性は、坂の口のてまえまで来ると、ふと、駒を止めてしまい、吹いていた笛を、笛嚢(ふえぶくろ)に納めて、帯のあいだに手挟(たばさ)んだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それは迫りくる白霧の背後から突然鳴り出した音が伝えてきたもの――広い音調に渉る潜伏性の音楽的な笛音だ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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