...何でも半道(はんどう)だと云うんだから、笑わせる...
芥川龍之介 「片恋」
...人を笑わせるだけのことならからだのどこかをくすぐつてもできるのである...
伊丹万作 「ルネ・クレール私見」
...満蔵が腑抜(ふぬ)けな話をして一笑い笑わせる...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...笑わせるなよ、蟻田博士」と、丸木は心をあらためるどころか、いよいよたけだけしいようすになって、「おい、博士...
海野十三 「火星兵団」
...その人を笑わせるのが上策と考えていたのです)を連発する一方...
太宰治 「人間失格」
...それをもって西洋風だと信じている感ちがいの亜流者が多いから笑わせる...
谷譲次 「踊る地平線」
...主人の機嫌気褄(きげんきづま)を取ることや人を笑わせることの上手な番頭や手代が...
谷崎潤一郎 「細雪」
...かなり数奇(すうき)の生涯を体験した政客であり同時に南画家であり漢詩人であった義兄春田居士がこの芭蕉の句を酔いに乗じて詠嘆していたのはあながちに子供らを笑わせるだけの目的ではなかったであろうという気もするのである...
寺田寅彦 「思い出草」
...ゲラゲラ笑わせるユーモア(?)に至っては論外だ...
戸坂潤 「思想としての文学」
...赤ン坊でいえば虫が笑わせるといった笑い――この場合では嘲笑(ちょうしょう)を禁じ得なかったのだ...
長谷川時雨 「牢屋の原」
...いろいろ人を笑わせるような事ばかり仰ゃっていた...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...猫を笑わせるに足る莫迦ばかしいことに映った――タイタニックにボウトなんて不必要な用心...
牧逸馬 「運命のSOS」
...笑わせるではないか...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...観衆を大いに笑わせるという演技法は奇抜なものだが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...それでこんにちを食ってくからには冥利(みょうり)てえことを知らなくちゃならねえ」「笑わせるな...
山本周五郎 「風流太平記」
...「文壇の大家だといったってなんだ、いったい谷崎潤一郎がなにものなんだ、笑わせるな、おれは日本の文壇なんぞ相手にしているんじゃねえんだぞ、エ ケ ホモ、おれはこうみえても仲井天青だ」天青はぎらぎらと熱っぽく眼を光らせ、右とか左とかどっちか側の肩をつきあげながらこう云うんだった...
山本周五郎 「陽気な客」
...新橋から出て銀座裏の三十間堀を通航する新式の交通機関なのだから笑わせる...
山本笑月 「明治世相百話」
...いつも腹を抱えて笑わせる小母さんだった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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