...いずれも売競うなかに...
泉鏡花 「一景話題」
...省作は歯ぎしりをかんで競うて見ても...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...思案(しあん)と妍(けん)を競う中にも美妙の「情詩人」が一頭(いっとう)地(ち)を抽(ぬき)んでて評判となった...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...捕卒は競うて庵(あん)の中へ躍(おど)り込んだ...
田中貢太郎 「切支丹転び」
...着る物に都雅(みやび)を競う面白さはなかった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...籠の中の小天地で女と鳴く音(ね)を競うものは必ず斃(たお)れる...
夏目漱石 「虞美人草」
...豈(あに)外国に競うて文明を争うに遑(いとま)あらんや...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...互いに競うて妾を劬(いた)わり...
福田英子 「妾の半生涯」
...山村と龍二は相競うて運動を続けてゐた...
牧野信一 「或る日の運動」
...ただ「世の中は」の歌のごとく古意古調なるものが『万葉』以後においてしかも華麗を競うたる『新古今』時代において作られたる技量には驚かざるを得ざる訳にて...
正岡子規 「歌よみに与ふる書」
...隣邦の王公士民競うて参詣し捧げ物多く花を撒き燈を点(とも)して間断(たえま)なしと見ゆ...
南方熊楠 「十二支考」
...源氏は自分の涙と競うもののように思った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...殿上役人が競うように凝った姿をして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あるいは温室にあるいは野辺にその香を競うた...
柳宗悦 「北九州の窯」
...近年ブリキ・セルロイドが目まぐるしく新を競うようになるまでは...
柳田国男 「こども風土記」
...波濤の音に競うて声は最も高く...
柳田国男 「雪国の春」
...攻め競う味方を指揮していた...
吉川英治 「三国志」
...名を競うものだった...
吉川英治 「私本太平記」
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