...思案(しあん)と妍(けん)を競う中にも美妙の「情詩人」が一頭(いっとう)地(ち)を抽(ぬき)んでて評判となった...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...如何(いか)にも列強の軍備を競うは明らかに兵禍の端を成するものであり...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...各種の雑誌は競うて君の作物を掲げ...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...華美相競うていたずらに奢侈(しゃし)の風を誇りしに過ぎざるていたらくなれば...
太宰治 「不審庵」
...もともと派手を競うのは持ち前の負けじ魂に発しているのでその目的に添(そ)わぬ限りは妄(みだ)りに浪費することなくいわゆる死に金を使わなかった気紛(きまぐ)れにぱっぱっと播(ま)き散らすのでなく使途を考え効果を狙(ねら)ったのであるその点は理性的打算的であったさればある場合には負けじ魂がかえって貪慾(どんよく)に変形し門弟より徴(ちょう)する月謝やお膝付(ひざつき)のごとき...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...先日來の同期卒業生丈けの集りよりも一層人數と時代がふえて話の範圍がひろくなつたので皆々競うて思ひ出話をする...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...或る時は電波の速さを通信網の中に競うところの新しい感覚が社会的集団的性格を単位としてここに生れはじめる...
中井正一 「「壇」の解体」
...日本橋(にほんばし)の大通(おおどおり)を歩いて三井三越を始めこの辺(へん)に競うて立つアメリカ風の高い商店を望むごとに...
永井荷風 「日和下駄」
...この君臣技を競うという...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...白亜の大建築は甍を空に競うてゐる...
牧野信一 「新興芸術派に就いての雑談」
...源氏は自分の涙と競うもののように思った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...二つが一つになって美しさを競うている場合があるのです...
室生犀星 「陶古の女人」
...競うためには多く作らねばならぬ...
柳宗悦 「工藝の道」
...色を競う様々な花の間に...
柳宗悦 「民藝四十年」
...近年ブリキ・セルロイドが目まぐるしく新を競うようになるまでは...
柳田国男 「こども風土記」
...第二職業広告用の理髪彼女達職業婦人のグループはこうしたわけで派手を競うた...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...攻め競う味方を指揮していた...
吉川英治 「三国志」
...――僧正の位階とか、金襴(きんらん)のほこりとかなら、むしろ、もっと赤裸な俗人になって、金でも、栄誉でも、気がねなく争ったがよいし、学問を競うなら、学者で立つがよいし、職業としてなら、他人(ひと)に、五戒だの精進(しょうじん)堅固などを強(し)いるにも及ぶまい、また、強いる権能もないわけではありませんか」範宴は、黙然とうなずいた...
吉川英治 「親鸞」
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