...隣りに静粛にお刺身をつついている二人の老人組は、その端正さ、その謹厳な態度から押して、ともに大学教授何なに博士に相違ない...
谷譲次 「踊る地平線」
...それは何々翁肖像といふ掛軸を思はせるやうな古風な律義さと端正さを現はしてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...一種云ふべからざる古雅な端正さがあり...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...嵩高な女神の端正さを持った俊子の上半身が...
豊島与志雄 「月明」
...私は少年メニューインの掴(つか)んだバッハ魂の雄大端正さに左袒(さたん)する...
野村胡堂 「楽聖物語」
...後者のコロムビア盤は透明な端正さを欠くかも知れない...
野村胡堂 「楽聖物語」
...ややテンポの速い古典的な端正さのうちに...
野村胡堂 「楽聖物語」
...モーツァルトの絢爛(けんらん)さもブラームスの端正さもないが...
野村胡堂 「楽聖物語」
...眼鼻立ちの端正さは名人の彫(きざ)んだ人形のやうで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その端正さを失ひましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その端正さを失いましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どうしても受取れない端正さでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...私は外部の端正さや礼儀作法(c)や立居振舞(a)が...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...端正さが彼の不徳を隠しているのは困ったことだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ほかのことでは君たちはいつも多少の端正さをたもつことができる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...水甕の底深く沈んでゐる鯉の美事な悠々たる鱗の端正さに...
横光利一 「榛名」
...それは日本では鎌倉の素朴単純な端正さと精神を一つにしたがごとき美しさに感じられたが...
横光利一 「北京と巴里(覚書)」
...推古式彫像においては多く輪郭の端正さを欠いている...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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