...悦子が絵端書をひろげながら聞いた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...行手けふも高い山が立つてゐる白犬と黒犬と連れて仲のよいこと山の水のうまさ虫はまだ鳴いてゐる・父が掃けば母は焚いてゐる落葉蔦を這はせてさりげなく生きてゐるか駄菓子ちよつぴりながらつ(マヽ)てゐるあるだけの酒はよばれて別れたが・豊年のよろこびの唄もなし・米とするまでは手にある稲を扱ぐ茄子を鰯に代へてみんなでうまがつてゐる留置郵便は端書...
種田山頭火 「行乞記」
...行乞米を下さいといつてお布施を下さる、写真をとつてもらふ、端書、巻煙草、電車切符を頂戴する、――何から何までありがたい...
種田山頭火 「行乞記」
...かれは小畑にやる端書(はがき)に枕時計の絵をかいて...
田山花袋 「田舎教師」
...夏目先生が帰ってからすぐに筆をとってこの端書をかき...
寺田寅彦 「子規自筆の根岸地図」
...それで私は今書きかけた端書のさきへこんな事を書き加えた...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...そして昨日K君に書いた端書は訂正しなければならないと思った...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...弟から端書(はがき)を受け取った...
徳田秋声 「足迹」
...猿之助英国より絵端書を送り来る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...絵端書を寄す...
断膓亭日記巻之四大正九年歳次庚申 「断腸亭日乗」
...彼にも勧誘の端書をよこした時...
夏目漱石 「道草」
...「あの人の事で何か用事が出来たんですって」なるほど端書には島田の事で会いたいからちょっと来てくれと書いた上に...
夏目漱石 「道草」
...ありたけの絵端書をみんな使ってしまわないと義理が悪いようにも思われた...
夏目漱石 「明暗」
...絵端書を見て、(もし津田がそれを出すとすると、)すぐここへやって来ないという事はけっして断言できなかった...
夏目漱石 「明暗」
...一寸(ちよつと)で可(い)いから來(こ)いといふ端書(はがき)が來(き)た...
夏目漱石 「門」
...ところへ下女がまた第三の端書を持ってくる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...昨日教会で葬儀を営んだ」と云う端書も来た...
松崎天民 「友人一家の死」
...それは一枚の官製端書(はがき)の裏面で見覚えのある右肩上りのペン字が...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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