...謹さん、」「何ね、」「貴下(あなた)、その(憚り様ね)を、端書を読む、つなぎに言ってるのね...
泉鏡花 「女客」
...日光羊羹(ようかん)を三棹(さお)と絵端書とを出した...
谷崎潤一郎 「細雪」
...持つてゐるだけの端書を書く...
種田山頭火 「行乞記」
...健在かね」などと書いた端書(はがき)を送ってよこした...
田山花袋 「田舎教師」
...いずれ近いうちに新居を訪問したいなどという端書(はがき)をよこしたが...
田山花袋 「田舎教師」
...」これだけで端書の余白はもうなくなってしまったが...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...父は汽車から私が脳病でも起しはすまいかと言つて端書を寄こした位だつた...
中原中也 「その頃の生活」
...薄墨色のインクで印刷された端書をもう一度マジ/\と見直した...
中原中也 「逝ける辻野君」
...三沢へやる端書(はがき)を書いていたが...
夏目漱石 「行人」
...大阪の岡田からは花の盛りに絵端書(えはがき)がまた一枚来た...
夏目漱石 「行人」
...何日(いくか)に来(き)て呉れといふ平岡の端書(はがき)が着(つ)いた時...
夏目漱石 「それから」
...わざと端書を門野に見せた...
夏目漱石 「それから」
...安井はその後一枚の端書(はがき)さえ寄こさなかったのである...
夏目漱石 「門」
...絵端書(えはがき)は着いた日から毎日のように寄こした...
夏目漱石 「門」
...ところへ下女がまた第三の端書を持ってくる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...十二月十二日 原民喜原子爆弾 即興ニスギズ夏の野に幻の破片きらめけり短夜を※れし山河叫び合ふ炎の樹雷雨の空に舞ひ上る日の暑さ死臭に満てる百日紅重傷者来て飲む清水生温く梯子にゐる屍もあり雲の峰水をのみ死にゆく少女蝉の声人の肩に爪立てて死す夏の月魂呆けて川にかがめり月見草廃虚すぎて蜻蛉の群を眺めやる●昭和二十年十二月二十八日 八幡村より 松戸市 永井善次郎宛拝復 十七日日附の端書拝見...
原民喜 「書簡」
...これまではほんの申訣(もうしわけ)のように書いてよこした端書(はがき)の便りさえそのとききり書いてよこさなくなってしまった...
堀辰雄 「菜穂子」
...古生からよこしたので端書(はがき)大の洋紙に草花を写生したのが二枚あつた...
正岡子規 「病牀六尺」
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