...女房、童の端々にまで、そのやうに人知れぬ厳粛のお心づかひをなさつて居られたほどのお方でございますから、幕府の御重臣や御家人を大事になさることもまた、ひとかたでなく、諸人ひとしくその厚いお恵みに浴し、このお若い将軍家になびきしたがふこと、萱野の風になびくさまにも似て、まことに山よりも高く海よりも深き御恩徳の然らしむるところとは言へ、その御勢力の隆々たるさまは、御父君右大将さまにもまさる心地が致しました...
太宰治 「右大臣実朝」
...町の端々から通りといふ通りは...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...その口にする言葉の端々にもあらわだった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...奧方のお言葉の端々からそれ位のことは察しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...言葉の端々にまで現はれて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...折々に漏(も)らす言葉の端々から...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...金属的な黄色い声の端々(はしばし)に...
火野葦平 「花と龍」
...遠く世界の端々までが手に取るやうに見え出したのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...ほんのり端々で紅らんだ白桃の花は...
宮本百合子 「斯ういう気持」
...端々の文字の少しずつわかっていくだけさえも非常に悲しかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...手振(てぶ)り歌言葉の端々(はしばし)が...
柳田国男 「海上の道」
...九州の端々(はしばし)でも上五島(かみごとう)でバッジョ...
柳田国男 「こども風土記」
...これも西は九州の端々と...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...特に奥羽の端々に多かったかというと...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...その端々、隅々から赤や、青や、茶色の焔がポーッと燃え上るたんびにそこいら中が明るくなって、又、前にも増した暗黒を作って行く物すごい光景を、薄板工場の中から湧き起るケタタマシイ雑音の交錯が伴奏しつつ、星だらけの霜の夜を更けさせて行く...
夢野久作 「オンチ」
...一柳斎から「世間識(し)らず」扱いにされた言葉の端々(はしばし)が気にかかって...
夢野久作 「斬られたさに」
...兵士の端々にまで...
吉川英治 「私本太平記」
...などという言葉の端々に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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