...君の詞の端々を聞きて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...「お父さんが財産をかけて許して下さったのだから、私は命をかけて運動する決心です」――その場の情景も、会話の端々も、はっきり永島の脳裏に残っていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...彼(女)はその日常生活の末々端々にいたるまで女子として行動し――そして売春婦として存在することによつて...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...女房、童の端々にまで、そのやうに人知れぬ厳粛のお心づかひをなさつて居られたほどのお方でございますから、幕府の御重臣や御家人を大事になさることもまた、ひとかたでなく、諸人ひとしくその厚いお恵みに浴し、このお若い将軍家になびきしたがふこと、萱野の風になびくさまにも似て、まことに山よりも高く海よりも深き御恩徳の然らしむるところとは言へ、その御勢力の隆々たるさまは、御父君右大将さまにもまさる心地が致しました...
太宰治 「右大臣実朝」
...町の端々から通りといふ通りは...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...そう言われてみると言葉の端々(はしばし)にも...
中里介山 「大菩薩峠」
...奥方のお言葉の端々からそれくらいのことは察しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...言葉の端々にまで現はれて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...聞いてみると、去年の夏ごろまで京に住んでいたものだと、かぼそい声でこたえたが、言葉の端々に、隠そうにも隠しようのない、ゆかしい調子があった...
久生十蘭 「奥の海」
...地主館(やかた)の端々がチラチラと見えだしたが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...演技の端々に示した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...泉はいつかその枝の端々までをしめらした自分が露であったことを思いだし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...思いきり下品なその端々が外から見えているのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...聞けば胸のみ騒がるるお万があの詞(ことば)の端々(はしばし)...
森鴎外 「そめちがへ」
...力が這入っておりさえすれば端々の事はあまり八釜(やかま)しく云わなかったようである...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...ところで作者(わたくし)はよくものしり顔に古書の端々を引きあいにもちだすが...
吉川英治 「私本太平記」
...端々(ハシバシ)普請(フシン)掃除(サウヂ)ヲ申シツケ...
吉川英治 「新書太閤記」
...語の端々までも峻厳な芸術的良心が行きわたっている...
和辻哲郎 「生きること作ること」
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