...「恋童貞(れんどうてい)」として、純粋で未経験の恋愛経験者を指す...
...妻の貞操や処女の童貞の如きは...
芥川龍之介 「日本の女」
...それはまた無垢(むく)童貞の青年が不思議な戦慄(せんりつ)を胸の中に感じて...
有島武郎 「或る女」
...妹み山の百合とみづからの童貞(をとめ)をまもる心には...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...半生の間童貞を守つて...
薄田泣菫 「詩集の後に」
...しゅッー吸殻の無我むくむくとした柳は夕闇を密造する磨りつくされ墨の暗黒童貞の間に華やかな夢を食べる飯食ふことに人生を浪費する神秘てふ永遠の憑きものに憑かれる海の蒼さは太陽の認識不足だ地上が太陽の思想にかぶれた...
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...「おれに童貞を捨てさせろ」と...
外村繁 「澪標」
...女子と同じく男子も童貞で結婚すべきことを主張していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...これが童貞処女の肉体の矜りではあるまいか...
豊島与志雄 「小さき花にも」
...それも童貞女の濁りない音調と少女の無邪気な音調とがいっしょにもつれ合った声...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...この聖(きよ)き童貞女はごく貧しくて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それは自分の失われたる童貞や...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...(何故だろう)と、童貞であるし、十四の女を可愛がっている位だから、初めは判らなかったが、同僚が「房江さん、君何うおもう」と、聞いたので、すっかり、見抜いてしまった...
直木三十五 「死までを語る」
...欄干から下をのぞくと自分の顔までが映るかと思はれた――美しい童貞(わらべ)の顔のやうになつて映るかと思はれた...
永井荷風 「黄昏の地中海」
...童貞のままで――クリークの泥の中に頭を突込んで死んでいたそうですが――まったく...
三好十郎 「その人を知らず」
...僕が童貞というものをひどく尊重していたように取られるかも知れません...
三好十郎 「肌の匂い」
...僕は童貞なんか、どうでもよかつたのです...
三好十郎 「肌の匂い」
...僕に此(この)放尿の噴水が不快の感を与へないのみか却(かへ)つて自然の天地に帰つて胸を開く様な快さを覚えしめるのは童貞の無邪気と純潔とを人間の作法に拘泥せずして具体化した芸術家の力であらう...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...ね、みんな」トム公は、女たちの淫(みだ)らな眼交(めま)ぜを見まわして、「童貞って、なんだい」「だから、教えてあげるのよ」「教えてくれよ、ここで」「ここじゃ、教えられないわ」「口でさ」「口じゃ教えられないもの」女たちの淫らな眼は、それを想像するだけでも媚液(びえき)を分泌(ぶんぴつ)して、熟(う)れた果物がおかれてあるように、トム公を眺め合った...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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