...机に向つてる男を見おろして、「あんな輕薄な奴、あたい嫌ひぢや!」「おれも嫌ひだが、ね、小學時代の友人でもあるし、いろんな口聽きとして役に立つやうだから――」「そりや自分の勝手やないか――あたい知らん!」そしてまた上から下りて來る女があると、かの女は先づ義雄の女房ではないかと――あれは綿服主義だとか云つていつもきたないなりをしてゐるが、立派さうな風の、若いのを見ると、また、女優ではないかと思つた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...いやどうもその立派さには...
高見順 「いやな感じ」
...一等は一等でもその一等が目に見えて立派さを加へて行くのだが...
中原中也 「詩と其の伝統」
...いつまでも独り者の八五郎の方が立派さ」「その気で付き合って下さい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それでも眼玉の光りや舌の面白さや鬚の立派さや...
牧野信一 「山峡の凧」
...そしてきょうの手紙のような立派さで書かれた百合子論は実にほしいと思います...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この本の構成の立派さが実に屡感歎をひきおこします...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その立派さでひとは説得されます...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その立派さも巧みさも...
三好十郎 「恐怖の季節」
...その立派さが際立って...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...上框のどつしりした古材の立派さは...
室生犀星 「京洛日記」
...瓦の立派さとよく釣り合つて美しい...
室生犀星 「京洛日記」
...「八陣」の加藤など錦絵も及ばぬ立派さ...
山本笑月 「明治世相百話」
...華やかな裃(かみしも)姿で押出しの立派さ...
山本笑月 「明治世相百話」
...お母様のお得意の浮き出し人形が出来上りますとその厳(いか)めしさと立派さは眼もさめるようで...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...武士道というよりむしろ古神道の精神の立派さじゃないかと思われるんですが...
横光利一 「旅愁」
...大理石づくめの宮殿の立派さと...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...その容態の立派さに...
吉川英治 「三国志」
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