...斯う華やか立つた一家の中で何時までもくすぶり返つてゐるのは母一人だつた...
有島武郎 「お末の死」
...戸の蔭に身を擦り寄せて立つてゐたが...
石川啄木 「二筋の血」
...新しい材木のごたくさ転がつた間(なか)に立つて写真を撮つた事があつた...
薄田泣菫 「茶話」
...馬の先導に立つて歩く馬子は暗くてよく見え無い靄の中でもう大分飮んで居るわけの分ら無い獨言を云つて居る哀れな馬は足元の危い主を心配するやうに時々立ち止らされては首を垂れてついて行くそのあとから馬の體に縛りつけられた車が安らかに輪を廻して行く...
千家元麿 「自分は見た」
...若し斯く爲さば和ぎて我の祈を納受せむ』 100陳じ終りて坐に着けばつづいて衆の前に立つアートレ,デース...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...恰も成り立つのであった...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...すべて生きてるものや役に立つものを決して煙にしようとしてはいけない...
豊島与志雄 「手品師」
...石に矢の立つためしあり――人間の一心って通じるもんだよ――又...
直木三十五 「南国太平記」
...そのよって立つあまりにも多い自分の中に自分自身を見失ってきたのである...
中井正一 「美学入門」
...「それも千兩箱では目立つていけないと思ひ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...と諸聲をかしくはやし立つるに...
樋口一葉 「たけくらべ」
...また残された者だッて何も別段役に立つという方でもなし...
二葉亭四迷 「浮雲」
...カムパネルラのとなりの女の子はそはそは立つて支度をはじめました...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...寿江子は十四日に立つそうです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...この幕の終るまでそこに立つてヂツと見てゐる...
三好十郎 「疵だらけのお秋(四幕)」
...すぐそこの鼻の先きに立つてるのを見てながら...
三好十郎 「肌の匂い」
...伊織を呼んで来ようと席を立つと...
吉川英治 「宮本武蔵」
...袖ひぢてむすびし水の氷れるを春立つ今日の風やとくらむ (貫之...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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