...立つて行つて、片隅の本箱の上に積んだ原稿紙を五六十枚掴んで來て、懷から手帳を出して手早く頁を繰つて見たが、これぞと氣乘りのする材料も無かつたので、「不漁(しけ)だ...
石川啄木 「病院の窓」
...この陳述を思い立つ程...
江戸川乱歩 「一枚の切符」
...あるかなきかに波立つてゐる花の動悸が...
薄田泣菫 「独楽園」
...すると外に靴磨きが立つてゐた...
ロバート・ルイス・スティーヴンソン 佐藤緑葉訳 「醫師と旅行鞄の話」
...嘗て三津の埠頭に立つて京都の天地を翹望した如く今は京都の古家の一間に籠居して東都の空を望むのである...
高濱虚子 「俳諧師」
...其の辺は一体に田圃や流れのなかからもぷすぷす硫黄くさい烟が立つてゐた...
徳田秋聲 「佗しい放浪の旅」
...しおれているのが眼に立つほどで...
中里介山 「大菩薩峠」
...佐治君も竹垣の側に立つた儘凝然として居る...
長塚節 「教師」
...そういう理窟も成り立つ...
中谷宇吉郎 「面白味」
...――石田樣が立つた後で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...とんだ役に立つことは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...こういう本は常識をひろめるに役立つ種類です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...福山へ立つた榛軒が始て留守に寄する書を作つた日である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...もしお腹が立つならば...
柳田國男 「日本の伝説」
...あたしはただお上のお役に立つつもりで...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...世上へも部内へも面目が立つまい...
吉川英治 「三国志」
...尠くも一かど国のために役立つ者になれたろうに」「こういう女があってはいけないんですか...
吉川英治 「宮本武蔵」
...くっきりと一際目立つに違いないと思われるほど...
蘭郁二郎 「植物人間」
便利!手書き漢字入力検索