...水蒸気ももやもや立ち昇る...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...まるで水の(におい)や藻(も)のが音もなく川から立ち昇るように...
芥川龍之介 「尾生の信」
...立ち昇る煙のたよたよしさ...
芥川龍之介 「わが散文詩」
...小さな橋の上に佇んで下をほとばしり流れる水から立ち昇る空気に冷されるのは誠に気持がよい...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...何とも名状の出来ない殺気のようなものが立ち昇るのが感じられた...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...のびやかな湯けむりがそここゝから立ち昇る...
種田山頭火 「旅日記」
...黒い煙がひとしきり渦巻いて立ち昇る...
寺田寅彦 「ある幻想曲の序」
...と見ると、立ち昇る紫煙、四方は夕暮のようにたそがれて、室の中を籠むる異薫に、丈太郎は暫らく夢心地に俯向きましたが、やがて身心水の如く澄み渡って、今まで感じた事も無い、不思議な衝動が、全身の脈管を流れ去ります...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...ムラムラと立ち昇る煙の中にガツクリ首を垂れました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ムラムラと立ち昇る煙の中にガックリ首を垂れました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今赤い靄(もや)が立ち昇る...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
...あけ放された小屋の扉から立ち昇る煙りは...
牧野信一 「月あかり」
...靄になつて立ち昇るかと思はれる夜であつた...
森林太郎 「高瀬舟」
...遠近(おちこち)の渓間(たにま)からは朝雲の狼煙(のろし)が立ち昇る...
山田美妙 「武蔵野」
...ほのかに立ち昇る佳(よ)き香(にほひ)の音楽...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...本能寺のほうに立ち昇る黒煙を眺めていたので...
吉川英治 「新書太閤記」
...濛々と立ち昇る白煙を草鞋の下に踏んだ時の心持をば今でもうら悲しいまでにはつきりと思ひ出す...
若山牧水 「樹木とその葉」
...炭焼の煙のうすあおく立ち昇る雑木林のまだ芽ぶかぬなかに咲いているのもまたほのかでものさびしい...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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