...彼はパイプから立ち昇る一すじの煙を見守ったまま...
芥川龍之介 「お時儀」
...半空(なかぞら)までも立ち昇る烈々とした炎の色はまるで日輪が地に落ちて...
芥川龍之介 「地獄變」
...立ち昇る火焔...
芥川龍之介 「商賈聖母」
...老人はその煙の中に立ち昇る火の粉を眺めても...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...此の火の壁はたうとう海の中へ進んで行つて水蒸気の大きな煙りが恐ろしく激しい音を立てゝ立ち昇る...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...立ち昇る炊煙の上に帰り花十一月二十八日 「玉藻五句集(第四十六回)」おでんやを立ち出でしより低唱す十二月六日 家庭俳句会...
高浜虚子 「五百五十句」
...「但馬(たじま)さんが来るそうですよ」「ほう」顔は鍋から立ち昇る熱気で蒸されながら...
高見順 「如何なる星の下に」
...黒い煙がひとしきり渦巻いて立ち昇る...
寺田寅彦 「ある幻想曲の序」
...陽光のなかに立ち昇る線香の淡い煙を...
豊島与志雄 「未亡人」
...もやもや立ち昇る煙霧の中へ青ざめた虧(か)けた三日月が射し入っておりました...
西尾正 「墓場」
...時々立ち昇る如く見える...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...立ち昇る香煙は、その時最後の尾を引いて、名香蘭奢待は尽きてしまいました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...ムツと立ち昇る土の香...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ムラムラと立ち昇る煙の中にガツクリ首を垂れました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...朝靄のほのかに立ち昇る静かな春の水を見ては幸福感に浸りつつ河下の橋を渡つて家路に急ぐ心持であらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...空にのみ規律残りて日の沈み廃墟の上に月昇りきぬ二十五年も前の事だが九月二日三日とまだ烟の立ち昇る焼跡に昇つた満月の色を私は忘れない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...紫煙(しえん)が立ち昇るのを眺めていた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...靄になつて立ち昇るかと思はれる夜であつた...
森鴎外 「高瀬舟」
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