...しかもあのクレオパトラは豪奢(がうしや)と神秘とに充ち満ちたエヂプトの最後の女王ではないか? 香の煙の立ち昇る中に...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...立ち昇る朝霧に、それと知らる...
大町桂月 「鹿野山」
...あはれ一山風(ひとやまかぜ)に跡もなき東岱(とうたい)前後(ぜんご)の烟と立ち昇るうら弱(わか)き眉目好(みめよ)き處女子(むすめ)は...
高山樗牛 「瀧口入道」
...立ち昇る煙それ自體で救はれてゐるのである...
太宰治 「お伽草紙」
...釜から立ち昇る湯気が虹のように七いろの色彩を呈して来た時...
太宰治 「ろまん燈籠」
...立ち昇る石炭の粉に...
谷譲次 「踊る地平線」
...のびやかな湯けむりがそここゝから立ち昇る...
種田山頭火 「旅日記」
...本物のお園が香爐から立ち昇る煙を前にいとも閑寂な姿で合掌して居ります...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...ムラムラと立ち昇る煙の中にガツクリ首を垂れました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...朝靄のほのかに立ち昇る静かな春の水を見ては幸福感に浸りつつ河下の橋を渡つて家路に急ぐ心持であらう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...空にのみ規律残りて日の沈み廃墟の上に月昇りきぬ二十五年も前の事だが九月二日三日とまだ烟の立ち昇る焼跡に昇つた満月の色を私は忘れない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...紫いろの油の煙りが濛々と立ち昇る...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...靄になつて立ち昇るかと思はれる夜であつた...
森林太郎 「高瀬舟」
...立ち昇る白煙に隠れて川上と川下に別れさせた...
横光利一 「日輪」
...ほのかに立ち昇る佳(よ)き香(にほひ)の音楽...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...立ち昇る噴煙を彼方に見...
吉川英治 「新書太閤記」
...ふと湖北に連なる一山から立ち昇る黒煙(くろけむり)に...
吉川英治 「新書太閤記」
...立ち昇る香煙のなかに佇みながら私は茂左衛門を思い...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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