...いささかも窶(やつ)れない...
泉鏡花 「海神別荘」
...やがてその臣と左の足に故障のある窶々(よぼよぼ)した住職が出て来た時には...
田中貢太郎 「不動像の行方」
...蒼白い電燈の光に窶(やつ)れて見えた...
徳田秋声 「足迹」
...そこへ顔を洗って戻ってきた看護婦の看病窶れの姿を見て...
豊島与志雄 「好意」
...窶れた顔は淋しい輪郭をしていた...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...彼女の窶れた顔に浮んでいる弱々しい微笑の影を見ると...
豊島与志雄 「二つの途」
...猫も二三度飼ったけれど皆酷く窶れて鳴声も出せないように成って死んだ...
長塚節 「太十と其犬」
...ちろちろと鐵瓶(てつびん)の尻(しり)から燃(も)えのぼる火(ひ)は周圍(しうゐ)の闇(やみ)に包(つゝ)まれながら窶(やつ)れた卯平(うへい)の顏(かほ)にほの明(あか)るい光(ひかり)を添(そ)へた...
長塚節 「土」
...私にも氣づかれるほどのはつきりした煩勞や悲しみに窶(やつ)れた色が見えるのが私を悲しました...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...あなたのそのお窶(やつ)れになったお姿を見ることが出来ませぬ...
堀辰雄 「曠野」
...姿を窶して日夜目的の家の周囲を探偵してゐる仕事準備中の泥棒のそれに比べるより他に...
牧野信一 「鏡地獄」
...窶(やつ)れ果てた美女の口元をただよって...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...見窶(みすぼ)らしい紋付(もんつき)...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...兄の窶(やつ)れを瞼にうかべた...
吉川英治 「私本太平記」
...いたくお窶(やつ)れになられましたなあ」「そうかや...
吉川英治 「私本太平記」
...身を窶(やつ)して忍ぶには...
吉川英治 「私本太平記」
...人違いするばかりな窶(やつ)れ方やら破(や)れ衣(ごろも)のまま...
吉川英治 「私本太平記」
...(……御恩は忘れおかぬ)窶(やつ)れた武者修行は云った...
吉川英治 「新書太閤記」
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