...窶(やつ)れたお利代が顏を出した...
石川啄木 「鳥影」
...身の窶(やつ)るる事なくて...
泉鏡花 「海神別荘」
...一と昔前はそう云う御自身が歯の浮くようなハイカラ振りに身を窶(やつ)していた時代もあるのだが...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...いッつも出る時には一時間も二時間も窶(やつ)しやはるよって...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...さすがにいくらか窶(やつ)れていらっしゃいましたものゝ...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...今朝はひどく面窶(おもやつ)れがして...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...面窶(おもやつ)れがしていたが...
徳田秋声 「仮装人物」
...窶れた頬に痙攣的な微笑のようなものを引きつらしていた...
豊島与志雄 「二つの途」
...おけらに至るまでこの道にかけて浮身を窶(やつ)すのが万物の習いであるから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...徳三郎の心配に窶(やつ)れた痛々しさも気の毒ですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...窶舍にも下りさせ給へ...
萩原朔太郎 「花あやめ」
...肩のあたりに心もち窶(やつ)れをお見せになっている位なもので...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...半分は着奢に浮身を窶(やつ)しているらしい...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...おくみは窶(やつ)れていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...身を窶(やつ)して忍ぶには...
吉川英治 「私本太平記」
...戦場窶(やつ)れに少し削(そ)げた彼の頬に...
吉川英治 「新書太閤記」
...すこし窶(やつ)れの見えるのもかえって男には魅惑がある...
吉川英治 「春の雁」
...驚くばかり窶(やつ)れた肉体に抱かれていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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