...こんなあさましい窶(やつ)れ方(かた)で会えば...
海野十三 「脳の中の麗人」
...そうして一羽は窶(やつ)れて翼の色艶(いろつや)も悪いと来ているんだから...
太宰治 「惜別」
...汽車旅行の窶(やつ)れで冴(さ)えない顔色をしているのを見ると...
谷崎潤一郎 「細雪」
...さすがにいくらか窶(やつ)れていらっしゃいましたものゝ...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...劇烈(げきれつ)な病苦(びやうく)の爲(た)めに其(その)力(ちから)ない死體(したい)はげつそりと酷(ひど)い窶(やつ)れやうをして居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...彼(かれ)の窶(やつ)れた身體(からだ)から其(そ)の手(て)が酷(ひど)く自由(じいう)を失(うしな)つたやうに感(かん)ぜられた...
長塚節 「土」
...丸太(まるた)の端(はし)を切(き)り放(はな)した腰掛(こしかけ)に身體(からだ)を据(す)ゑて其(そ)の窶(やつ)れた軟(やはら)かな目(め)を蹙(しか)めて居(ゐ)た...
長塚節 「土」
...面影(おもかげ)は青白く窶(やつ)れてはいるが...
夏目漱石 「倫敦塔」
...苦勞のため窶(やつ)れてはゐたが赤味を帶びた顏色をしてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...私にも氣づかれるほどのはつきりした煩勞や悲しみに窶(やつ)れた色が見えるのが私を悲しました...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...あなたのそのお窶(やつ)れになったお姿を見ることが出来ませぬ...
堀辰雄 「曠野」
...自分の思ひ過しか窶れた風情の窺はれる周子の横顔を覗いた...
牧野信一 「毒気」
...私はこの数日間のなやみに窶(やつ)れた頬を両手で押えながら...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...見違える程窶(やつ)れて形相の変った草川巡査の顔を...
夢野久作 「巡査辞職」
...見違えるほど窶(やつ)れ果てた顔に...
夢野久作 「木魂」
...幾らか面窶れを見せた千鶴子の頬の細さが...
横光利一 「旅愁」
...彼女の窶(やつ)れ顔の中の幼い面影を...
吉川英治 「私本太平記」
...肩を落としている窶(やつ)れた老武士があった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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