...このさびしい谷は長いあいだスリーピー・ホロー(まどろみの窪)という名で知られていた...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...亡霊が夜半の疾風のように速くこの窪地を通り去るのは...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「スリーピー・ホローの伝説」
...スー」と頬の窪むばかりに吸って...
泉鏡花 「婦系図」
...東京の西北のはずれにあたる荻窪(おぎくぼ)の...
江戸川乱歩 「大金塊」
...心持ち窪んで見える奥様のお墓のところから...
大阪圭吉 「幽霊妻」
...砂の窪みにかいつくばって...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...そこに往くには若いヤニマツのたくさん生えている草の茂った窪地をいくつかつづけて下り...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...十二時近く水窪町へ着く...
種田山頭火 「旅日記」
...午後独歩(どっぽ)荻窪(おぎくぼ)停車場(すてえしょん)さして出かける...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...さて家人が其処(そこ)へ転居してから一週間ばかりは何の変事も無かった、が偶然(ふと)或(ある)夜の事――それは恰度(ちょうど)八月の中旬(なかば)のことであったが――十二時少し過ぎた頃、急にその男が便通を催したので、枕許(まくらもと)の手燭(てしょく)へ燈(あかり)をつけて、例の細い濡椽(ぬれえん)を伝って便所へ行った、闇夜の事なので庭の樹立等(こだちなど)もあまりよく見えない、勿論(もちろん)最早(もう)夜も更(ふ)け渡っているので四辺(あたり)はシーンと静かである、持って来た手燭(てしょく)は便所の外に置いて、内へ入った、便所の内というのも、例の上方式の前に円窓(まるまど)があって、それに簾(すだれ)が懸(かか)っている、蹲踞(しゃが)んでいながら寝(ね)むいので何を考えるでもなく、うとうととしていると何だか急にゾーッと悪寒(さむけ)を覚えたので思わず窓の簾越(すだれごし)に庭の方を見るとハット吃驚(びっくり)した、外の椽側(えんがわ)に置いた手燭(てしょく)の燈(ひ)が暗い庭を斜(ななめ)に照らしているその木犀(もくせい)の樹の傍(そば)に洗晒(あらいざら)しの浴衣(ゆかた)を着た一人の老婆が立っていたのだ、顔色は真蒼(まっさお)で頬は瘠(こ)け、眼は窪み、白髪交(しらがまじ)りの髪は乱れているまで判然(はっきり)見える、だがその男にはついぞ見覚えがなかった、浴衣(ゆかた)の模様もよく見えたが、その時は不思議にも口はきけず、そこそこに出て手も洗わずに母家(おもや)の方へ来て寝た、しかし床(とこ)へ入っても中々(なかなか)寝られないが彼はそれまでこんな事はあんまり信じなかったので、或(あるい)は近所の瘋癲老婆(きちがいばばあ)が裏木戸からでも庭へ入って来ていたのではないかと思ってそれなりに寝てしまった...
沼田一雅 「暗夜の白髪」
...厚い口尻に深い窪(くぼ)みを刻みつけて...
長谷川時雨 「平塚明子(らいてう)」
...「え?」「いくよ」一ピッチ目の確保点は窪んだ一人用のはずである...
早川鮎子 「穂高岳屏風岩にて」
...わたしは絶壁の硬い底の窪みの方にくつついてゐた...
原民喜 「鎮魂歌」
...荻窪まで急行する...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...生まるると直ぐに自ら食を求めて親を煩わさず自活し土を浅く窪(くぼ)めてその中に居るに...
南方熊楠 「十二支考」
...首尾が良ければ明日の朝までにゃ落窪へ行くからな...
三好十郎 「樹氷」
...牛窪(うしくぼ)という村にかかる土橋のところで立停った...
山本周五郎 「似而非物語」
...崖の窪みになっていて...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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