...洞窟(どうくつ)と言(い)っても...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...そしてあの洞窟のなかにとじこめられ...
海野十三 「怪塔王」
...明智探偵の報告によって、賢吉少年も、この洞窟の中に、つれこまれていることがわかりましたので、あわよくば、洞窟のおくふかく泳ぎこんで、賢吉少年をさがしだそうとしているのです...
江戸川乱歩 「海底の魔術師」
...前にベルヴィルの貧民窟にいた時...
大杉栄 「日本脱出記」
...種々(しゆ/″\)な屁理窟(へりくつ)を考(かんが)へ...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...此窮窟な主義だとか...
夏目漱石 「それから」
...則チ是レ鬼女ノ窟ニ適当スルモノ...
※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]上漁史 「青塚ノ説」
...一人も佐吉が人を使つたのを見た者がねえ」「見られるやうには出やしません」「それは理窟だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一と通りの理窟はあるやうだが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「ああどこに 私の音づれの手紙を書かう!」佛陀或は 世界の謎赭土(あかつち)の多い丘陵地方のさびしい洞窟の中に眠つてゐるひとよ君は貝でもない 骨でもない 物でもない...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...どうしたって畳を持ち上げなければならない理窟になる...
久生十蘭 「魔都」
...浮島(うきしま)の洞窟に行き着いた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...私は、自分が作家である故に斯んな説明詞を付け加へるが、恰もそれは、私達が一つの作に取りかゝるであらう前の、理窟や、情実や、知識や、哲学では何うすることも出来ないきらびやかな烈風との戦ひ、捉へどころを知らぬ無限の寂莫、涯しなき虚空へ向つての反抗、そして、止め度もなき寂しさを抱いて、さ迷ひ廻り、はしやぎ廻り、偉さうな議論を喋舌り廻り、恥も知らず、誉れもなく、たゞ、ひたすらに命かぎりの祈りを挙げる、「あの蟷螂の斧」「あの嘆きの寄り合ひ」――あの芸術至上感と、何んな隔てもない情景であつた...
牧野信一 「R漁場と都の酒場で」
...俳句にては「人もなし」といふ語を「人なし」と同じく用うれど「人もあり」といふ語を用うれば「も」の字理窟臭く相成候...
正岡子規 「あきまろに答ふ」
...果もなくとぐろを卷いて四千何百戸といふ巣窟の窓々や勝手口を殆んど蟻のやうに噎せかへつて...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...異人相手の古道具(ふるもの)は儲かる理窟を知っとるけに...
夢野久作 「近世快人伝」
...黴菌の少い西洋から湿気のため黴菌の巣窟になっている日本へ...
横光利一 「旅愁」
...かれが身をめぐらして引ッ返したのは一瞬でありましたが、元の場所へ馳け戻ってみると、こはいかに、洞窟の奥には、一点の蝋(ろう)の灯の明りも今の喧騒もハタとなく、またあれだけ居た盗ッ人(と)市の集まりが一人として見当りもせず、心なし、そこに有りやと窺われるものは、漆壺(うるしつぼ)をのぞくに似た陰たる鬼気のただよいであります...
吉川英治 「江戸三国志」
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