...」としめ木にかけられた様に袖を絞って立窘(たちすく)むと...
泉鏡花 「婦系図」
...どうにかしなければならないと思いつつもどうにもする事が出来ないで独(ひと)りで窘窮(きんきゅう)煩悶していた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...「鶴さんも可哀そうよ」そう言ってお島を窘(たしな)めたおゆうの目顔が...
徳田秋声 「あらくれ」
...誰かが窘(たしな)めるように「加世子さんいけません」と緊張した小声で言っていたのが...
徳田秋声 「縮図」
...弱いもの窘(いじ)めを楽む子供もあれば...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...弱きを窘(いじ)めて冷たく...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...男児連(おとこづれ)は往来毎にお光を窘(いじ)める...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...自由黨の要求とても亦閣下を窘窮せしむるの毒計たるが故に...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...大に窘色あり彼は現内閣と地方民との間に立ちて...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...ただKは私を窘(たしな)めるには余りに正直でした...
夏目漱石 「こころ」
...少し窘(たしな)める様な調子で...
夏目漱石 「それから」
...中姉樣(ちうねえさま)を窘(いぢ)め出(だ)すことヽ恨(う)らみ...
樋口一葉 「曉月夜」
...這入つて来たら散々と窘(いぢ)めてやる物を...
樋口一葉 「たけくらべ」
...と窘(たしな)めておいて...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...「およしなさい」ふき子にきつく窘(たしな)められた...
宮本百合子 「明るい海浜」
...おねだりかい」こう口先きだけは窘(たしな)めるように云うても眼は笑ってお初のぼってりとして胸もとの汗ばんだ膚(はだえ)をこっそりと愉しんでいる...
矢田津世子 「神楽坂」
...自分の身分に顧慮(こりょ)しながらも勇気をふるって窘(たしな)めた者がある...
吉川英治 「黒田如水」
...一本窘(たしな)められるなどは……われながら未熟至極)その日の午(ひる)過ぎ――職人その他一同へ...
吉川英治 「新書太閤記」
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