...妙な聲を出してその短い顎を突出した...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...ヌツト突出した志田君の顔...
石川啄木 「菊池君」
...廂(ひさし)から突出した物干棹(ものほしざお)に...
泉鏡花 「婦系図」
...そして瓶を彼に突出した...
梅崎春生 「幻化」
...一段高く海に向って突出した普通に梟山(ふくろやま)と呼ぶ丘が御座居ます...
大阪圭吉 「花束の虫」
...鶴子さんがこれを細君の前に突出したといふ事は固より三藏の想像の外にあつたのである...
高濱虚子 「俳諧師」
...このトッソ山の麓は海中に突出した絶壁になっていて...
知里真志保 「あの世の入口」
...脅(おど)かす積りで突出した匕首(あひくち)が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...突出した陸地に沿うて迂囘しつつあつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...五十恰好の薄穢い服装(みなり)をした女が不機嫌な顔を突出した...
松本泰 「緑衣の女」
...自分も三田と首を並べて突出した...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...竹格子の窓に突出した...
宮本百合子 「一太と母」
...彦之丞「身体を大事にするだぞーつ! しよつちゆう便りを呉れるだぞーつ! 途中気を附けなよつ!」云々と窓から突出した腕を振つて酔つた声で呼ぶ父を乗せて...
三好十郎 「おスミの持参金」
...箕輪は突出した丘の周囲を取り囲んだ部落の形が...
柳田國男 「地名の研究」
...おれだって!」十郎兵衛は拳を突出したが「それで...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...もう夜が明けておるのに……バ……バ……バケモノとは……」方丈の明障子をガタガタと押開けて大兵肥満の和尚が顔を突出したが...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...手を突出したりして受けた負傷と...
夢野久作 「戦場」
...案内を知っておりまするので……」栗野博士の背後から頓野老人が山羊鬚を突出した...
夢野久作 「笑う唖女」
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