...手には鋼鉄の叉棒(さすぼう)を握って一疋(ぴき)の土竜(もぐら)に向って力任せに突き刺すと...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...それへ首をぎゅっと突き刺す仕掛けになっていた...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...(暴れ出したラディウスの腕に針を突き刺す)じっと...
カレル・チャペック Karel Capek 大久保ゆう訳 「RUR――ロッサム世界ロボット製作所」
...へんに冷く突き刺すように仰言るんです...
豊島与志雄 「千代次の驚き」
...突き刺すような感覚があった...
原民喜 「秋日記」
...突き刺すように感覚を脅(おびや)かしていた異臭をまた想い出すのだった...
原民喜 「永遠のみどり」
...突き刺すやうな眼なざしに...
原民喜 「鎮魂歌」
...突き刺すような眼(ま)なざしで...
原民喜 「鎮魂歌」
...客の顔を突き刺すやうにそそがれた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...しかしここでは太陽と薔薇(ばら)とがなんと残酷に私を突き刺すことよ!そうして五月の青い空は私を嘲(あざけ)っている...
堀辰雄 「旅の絵」
...その冷気が突き刺すように犇ひしと感じられる...
牧逸馬 「運命のSOS」
...林檎の実を刃の先に突き刺す...
牧野信一 「思ひ出した事(松竹座)」
...そしてロシア人たちは貴男の部下が老女を銃剣で突き刺す写真をでっち上げると...
R. マッケナ R. McKenna The Creative CAT 訳 「愛と月の犬」
...突き刺すようにデトレフの眼を見つめるのであった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...突き刺すばかり尖った...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...かねて用意の女串(めぐし)で突き刺す...
山本周五郎 「青べか物語」
...栄二を突き刺すように指さした...
山本周五郎 「さぶ」
...「おい、図星だろう」と六郎兵衛はたたみかけて云った、「きさまは正直者らしい、酒井邸からここへ来るまでの、することや云うことを聞いていると、正直で一本気だということがよくわかる、だが、正直であればあるほど、なにか隠したり、嘘をついたりすることは不得手だ、ものの云いよう、声の調子にすぐあらわれる、きさまはみやのいどころを知っている筈だ、そうだろう」「私は知らない」と玄四郎は静かに云った、「知らないことは事実だが、いどころを知ることはできるかもしれない」「それが本音だ」「しかし私にはそれは云えない」「酌をしてくれ」と六郎兵衛が云った、「酒のあとを頼む、きさまも飲め」「もうたくさんだ」玄四郎はきっぱりと云った、「私は飲まないし、つきあうだけはつきあった、金は預けておくから独りで飲むがいい、私はこれで帰る」「よし帰れ、帰ってみろ」六郎兵衛は低い声で、突き刺すような、冷酷な調子で云った、「だがこれで縁が切れると思ったら間違いだぞ、きさまは酒井家の待、名も黒田玄四郎と覚えている、おれは毎日でも酒井邸へ押しかけてゆくぞ」玄四郎は唾をのんだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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