...二人の漁夫は大竿(おおざお)を風上になった舷(ふなべり)から二本突き出して...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...何(ど)れも此れも火の出る樣な顏を突き出して...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...スリッパを穿いたまま横手に突き出し...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...顔を突き出しながら...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...弁当でも食わんけゃ?」突き出した竹の皮の中には...
橘外男 「仁王門」
...頭をまえに突き出しました...
田中英光 「オリンポスの果実」
...試みに御自分の両眼の間に新聞紙を拡げて前に突き出して左右の眼で外界を御覧になると御疑問が解決せられるのです...
寺田寅彦 「随筆難」
...一通の封じ文を米友の眼の前に突き出して...
中里介山 「大菩薩峠」
...芥子玉(けしだま)しぼりの頬かむりで隠した面(かお)をこちらに突き出している...
中里介山 「大菩薩峠」
...若者や娘たちは我れ勝ちに袋を突き出して獲物を奪ひ合つた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...久見崎の沙の斜面を打ちし如打たざりし如晴れし雨かな小舟を川内河口に浮べ長く海中に突き出した沙の堤防の様な久見崎に遊んだ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...壊れた窓から十数本の腕を遠慮無く突き出し...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...」不図私の眼の前に赤鬼のやうに怖ろしい顔の巨漢がぬつと胸を突き出した...
牧野信一 「日本橋」
...自分もそちらへ行こうと両手を突き出してウロウロする...
三好十郎 「その人を知らず」
...下唇を突き出しながら湯呑へ酒を注いだ...
山本周五郎 「青べか物語」
...――出拔けに引した幕を開けて顏を突き出した男がある...
吉江喬松 「山岳美觀」
...余り突き出し過ぎて...
吉川英治 「新書太閤記」
...そこへ突き出した槍の元を手繰(たぐ)って一方の手に太刀をかざし...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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