...ポール翁は別室に行つて一葉の寫眞を持つて來て「これを知つてゐますか?」と私の前に突き出した...
石川三四郎 「浪」
...それが突き出した右手の拳から写し取つて行つても...
上村松園 「思ひ出」
...榎本氏は時偶(ときたま)二階の窓から掌面(てのひら)を屋根の上へ突き出して雀を掴まへる事がある...
薄田泣菫 「茶話」
...――舷から海へ突き出した板を眼隠しして歩かせ...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...蓬亭は力瘤の這入つた左の腕をウンと突き出して右の手に石のやうに固く丸めた手拭を握つてしつ/\と洗つてゐたが...
高濱虚子 「俳諧師」
...グッと前に突き出して...
徳永直 「戦争雑記」
...短刀を突き出して...
直木三十五 「南国太平記」
...わたしを突き出してもようござんすけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...鉄に銀の象嵌(ざうがん)をした朝鮮の煙草箱を引き寄せ乍らその長い膝をグツと突き出して坐つた...
長與善郎 「青銅の基督」
...牛が角を突き出して駆け寄って来る...
野上豊一郎 「闘牛」
...土藏の庇(ひさし)と物干臺が突き出し...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この平次が繩を打つて突き出しませう――とな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...纈(くく)り腮(あご)をわざと突き出したほど上を仰(む)き...
広津柳浪 「今戸心中」
...その実佐柄木自身が自分の心内に突き出して来る何ものかと激しく戦って血みどろとなっているように尾田には見え...
北條民雄 「いのちの初夜」
...立とうとして前脚を突き出しました...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...臀(でん)部を湯の上へ突き出して...
牧逸馬 「浴槽の花嫁」
...重宝です私ァ」ニュッととぼけた顔を突き出して自分の鼻に指をさしながら...
正岡容 「小説 圓朝」
...場内へ突き出しているのとの間に立ったのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
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