...嫁さんは何処の誰だといらぬ穿鑿するばかりでニヤニヤしている...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...「僕の気持をしょっちゅう穿鑿するということは」とラエーフスキイはつづけた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...矛盾というものの意味の成り立つ場処を穿鑿することを通じて(弁証法の所在を突き止める代りに)...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...カントの分析を穿鑿するまでもないだろう...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...又やたらに穿鑿するのも考えものだと思うが...
戸坂潤 「社会時評」
...作家の主観的な(之は往々主体的という言葉でゴマ化されるが)内部的イデーを穿鑿するに止まるならば...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...事物の客観的な原因を理論的に穿鑿するというようなことはどうでもいい...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...彼女は穿鑿するように相手の顔色を窺うのである...
豊島与志雄 「蔵の二階」
...穿鑿するほどの価値を持たない...
豊島与志雄 「聖女人像」
...茲にそれを穿鑿する隙はないが...
豊島与志雄 「台湾の姿態」
...強ひて事實を穿鑿する必要もありませぬ...
内藤湖南 「應仁の亂に就て」
...それらのことを必ずしも穿鑿することなしに...
内藤湖南 「爾雅の新研究」
...今はもう進んで穿鑿する気力も竭(つ)き勇気も沮(はば)んだ...
二葉亭四迷 「浮雲」
...偶然の中に於て自然を穿鑿し種々の中に於て一致を穿鑿するは...
二葉亭四迷 「小説総論」
...美術は感情を以て意を穿鑿するものなり...
二葉亭四迷 「小説総論」
...――」瑛子は井上の眉目秀麗な中年の豊かな顔から胸へ穿鑿する視線を流しながら...
「海流」
...一行脱けたと細かに穿鑿する世の中に...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...語句の端々(はしばし)を穿鑿するのは作品としての取り扱いの準備であってそれ自身が目的なのではない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索