...ヲンナの登る階段は一段一段が更に新しい焦熱氷地獄であつたからヲンナは楽しいチヨコレエトが食べたいと思はないことは困難であるけれども慈善家としてのヲンナは一と肌脱いだ積りでしかもヲンナは堪らない程息苦しいのを覚へたがこんなに迄新鮮でない慈善事業が又とあるでしようかとヲンナは一と晩中悶へ続けたけれどもヲンナは全身の持つ若干個の湿気を帯びた穿孔(例へば目其他)の附近の芥は払へないのであつた...
李箱 「狂女の告白」
...「映画(ピクチュア)」「そう穿(ほ)じくらないで...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...容易く盾を穿たんと...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...井上君の眼球の黒眼の部分だけ穿孔(せんこう)していたことや...
永井隆 「長崎の鐘」
...下へ脚絆を穿いとかないと...
中里介山 「大菩薩峠」
...「燻(けぶ)つてえのそつちへおん出(だ)さなくつちや仕(し)やうねえや」風呂(ふろ)から出(で)た儘(まゝ)拭(ぬぐ)ひもせぬ足(あし)に下駄(げた)を穿(は)いて裸(はだか)の臀(しり)を他人(たにん)に向(む)けて立(た)つた一人(にん)が後(うしろ)を顧(かへり)みていつた...
長塚節 「土」
...海老茶の袴を胸高く穿いてゐる...
中原中也 「三等車の中(スケッチ)」
...もし其の斷片的の意見(オピニオン)(會話にあらはれたる)を拾つて其の價値を穿鑿したら實に馬鹿氣たものになつて仕舞ふ...
夏目漱石 「「額の男」を讀む」
...平次の問ひに誘はれて微に入り細を穿(うが)ちます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...まむしのような下駄(げた)の鼻緒(はなお)をこしらえさせて穿(は)いたり...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...サト子は、穿きかえの靴や、アクセサリーや、そういう小道具を入れた、モデルの仲間が化粧箱といっている大きな太鼓型のケースをさげ、参道の左手の低い石門を入ると、池のみぎわから建物の横手をまわって、入場券の売場へ行った...
久生十蘭 「あなたも私も」
...巖壁に穿たれた夥しい生簀の水に...
宮本百合子 「黒い驢馬と白い山羊」
...絶えず牧場と牧場との間を穿(うが)って下流へ送っている...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...次のように穿(うが)った注を加えたことがあった...
山本周五郎 「青べか物語」
...禅宗によって捏造(ねつぞう)されたものだよ」「なるほど多少穿(うが)ちすぎてはいるが...
山本周五郎 「新潮記」
...穿いている長靴は勿論の事...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...またもっと穿(うが)った者は...
吉川英治 「新書太閤記」
...とやかくと穿(うが)ってみたり...
吉川英治 「宮本武蔵」
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