...発田がそれを穿いていることを...
梅崎春生 「黄色い日日」
...同じ鼠のフランネルのパンツを穿(は)いた高夏は...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...寒いので九時近くなつて冷たい草鞋を穿く...
種田山頭火 「行乞記」
...自ら進み青銅の武具を穿ちて堂々と...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...彼の穿ちし塹濠の中に陷ることあらば...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...然れども時として能く人情の機微を穿(うが)つ事あたかも浮世絵の写真に優(まさ)る事あるに似たり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...雪駄(せった)を片足だけ玄関の上に穿(は)き込んで...
中里介山 「大菩薩峠」
...宗助(そうすけ)の穿(は)く新(あた)らしい靴(くつ)を誂(あつ)らへた上(うへ)...
夏目漱石 「門」
...一は感情を以て感得する美術上の穿鑿是なり...
二葉亭四迷 「小説総論」
...又は靴の中へ釘を打つて是を穿いて居る――或は裸體となつて牛糞の上に坐する――牛糞は元來印度人の非常に神聖なものと考ふる所で...
松本文三郎 「世界に於ける印度」
...茶じまの袴(はかま)に雪駄穿(せったば)きの...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...丸山の地は池を穿ち水を貯ふるに宜しくないので...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...あの隠居の内へ尋ねて来る好い女はなんだろうと穿鑿(せんさく)して...
森鴎外 「雁」
...次第に深く穿(うが)って行く...
森鴎外 「沈黙の塔」
...織地のままの繭紬(けんちゅう)の陰紋附(かげもんつき)に袴(はかま)を穿(は)いて...
森鴎外 「百物語」
...有産知識階級においてはさすがにこれより穿(うが)っていた...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...軒下の漆喰(しっくい)伝いに足袋でも穿いて玄関へまわれば...
夢野久作 「S岬西洋婦人絞殺事件」
...同行の何人もが、今日の登山者達のやるやうな服裝や準備をするのでもなく、そんな事は夢にも知らないで、たゞ絲經(いとだて)を身に着け、草鞋を穿いて、アルペン・ストックの代りに蝙蝠傘をついてゐるといふ不思議な行裝であつた...
吉江喬松 「山岳美觀」
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