...葉子は陥穽(わな)にかかった無知な獣(けもの)を憫(あわれ)み笑うような微笑を口びるに浮かべながら...
有島武郎 「或る女」
...表面上は右に陥穽(おとしあな)のあるのを避けさせようとして...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...何かしら陥穽(おとしあな)が用意されているのではないかと考えたが...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...足もとを見る暇(いとま)もなく陥穽(おとしあな)に落ちたのか...
徳冨蘆花 「謀叛論(草稿)」
...これを檻穽(かんせい)の内に投げ込んで...
夏目漱石 「草枕」
...面白半分穽(おとしあな)の中に突き落したのを無念に思った...
夏目漱石 「門」
...石畳の上に陥穽(おとしあな)のように...
野村胡堂 「古城の真昼」
...陥穽(おとしあな)に首を突っ込むにゃ当たらないもんなあ」小倉は行く先を忘れた田舎者(いなかもの)のように当惑げにそこへ突っ立っていた...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...覚悟している真暗な陥穽(おとしあな)から...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...……陥穽(おとしあな)と知りつつ陥らずにはいられない……...
夢野久作 「鉄鎚」
...即座に十常侍らの陥穽(かんせい)を看破(みやぶ)って諫めた...
吉川英治 「三国志」
...いや人間のたれもが得意となれば陥(お)ち入りやすい穽(あな)である...
吉川英治 「新書太閤記」
...墜(おと)し穽(あな)まで仕掛けてありますれば」「ウム...
吉川英治 「親鸞」
...かえって相手方の陥穽(かんせい)に落ち...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...悪人ばらの陥穽(かんせい)に墜ちて...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...宿屋へ運んだように見せかけたのは警察を誑(たぶらか)す陥穽(わな)であった...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
...愚図々々(ぐずぐず)していて陥穽(わな)に落ちちゃあつまらない...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
...即ち陥穽(かんせい)を設(もう)けて熊を猟(りやう)するあり...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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