...が、二葉亭のいうのは恐らくこの意味ではないので、二葉亭は能(よ)く西欧文人の生涯、殊(こと)に露国の真率かつ痛烈なる文人生涯に熟していたが、それ以上に東洋の軽浮な、空虚な、ヴォラプチュアスな、廃頽(はいたい)した文学を能く知りかつその気分に襯染(しんせん)していた...
内田魯庵 「二葉亭四迷」
...多くは是れ「新」といふ上辷りのした空虚な文字で人の心を惑乱するものでは無いか...
高浜虚子 「進むべき俳句の道」
...空虚な馬鹿笑いをした...
太宰治 「正義と微笑」
...暫く空虚な沈黙が続いた...
豊島与志雄 「黒点」
...罰を受けた空虚なこの頭脳の中に...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...両者の間に空虚な時間と空間とを許容することであって...
豊島与志雄 「波多野邸」
...空虚な時間や空間はない...
豊島与志雄 「波多野邸」
...もとの空虚な深い孤独感の様な...
中井正一 「霧の中のヨードル」
...粕ばかりで何もない空虚な躯をもてあましてゐるにしかすぎない...
林芙美子 「摩周湖紀行」
...空虚な目ざしで自分の前方をきっと見ていた...
堀辰雄 「菜穂子」
...空虚な目ざしで自分の前方をきっと見ていた...
堀辰雄 「楡の家」
...帰って来た兵士等を待っていたものは、空虚なる名誉と、光栄ある失業だけである...
牧逸馬 「土から手が」
...思想の危機を叫ぶことによってあたかも思想を窮迫せしめ、空虚ならしめ、かくて思想そのもののためでなく、むしろまったく他の意図のために謀ろうとすることが彼らの目的である...
三木清 「危機における理論的意識」
...当人は自分が何をしているか知らないままにであったりしながら)地面に深い空虚な穴を掘って掘って掘り抜いている人間の姿である...
三好十郎 「恐怖の季節」
...哲学が悟性ある人々においてまで空虚な名ばかりのものにすぎず...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...有無をいわせずに我々を支配し・人間どもの空虚な論争の上に位する・あの権威ある神意である...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...空虚な人間的理性からして...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...さっきからの空虚な目のやりばとしていた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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