...空虚なる名譽慾に囚はれて實質の問題に參する事を知らざる人生の外道である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...すべて空虚な空気に過ぎなかった...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...屋根と壁に囲まれた空虚なところに見いだすことができるのであって...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...ポオズはじめから、空虚なくせに、にやにや笑う...
太宰治 「もの思う葦」
...Kは空虚な眼をしてじつと向うの山を眺めた...
田山録弥 「浴室」
...充実したつもりで空虚な隙間だらけの器物はあぶなく...
寺田寅彦 「変った話」
...そしてなんとなくさびしく空虚な頭の底によどんでいた長い長い旅の疲労が...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...彼らは自分の周囲に空虚な淵(ふち)をうがち...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして彼は空虚な心で...
豊島与志雄 「反抗」
...更に空虚な闇が湛えていた...
豊島与志雄 「二つの途」
...この不安に對する彌縫策(びぼうさく)として日本人の慣用する手段は改良々々と呼ぶ空虚な聲ばかりである...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...悲しみも喜びも忘却した空虚な気持であった...
火野葦平 「糞尿譚」
...一身あたかも空虚なるがごとくにして安心立命の地位を失い...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...それは空虚な努力である...
森鴎外 「かのように」
...進歩も発達もない空虚なものである...
夢野久作 「能とは何か」
...空虚な喜びに生きている――――消極的の無自覚の姿!この無知無能に対して...
夢野久作 「鼻の表現」
...三宿場の空虚な場庭(ばにわ)へ一人の農婦が馳(か)けつけた...
横光利一 「蠅」
...とにかく満ち溢れていた水を使い尽してしまった後に起るあの空虚な皮質ばかりを...
横光利一 「馬車」
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