...空虚なる根を張っている...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...空虚なる条件をもって...
海野十三 「不沈軍艦の見本」
...それは空虚な空間ではなくて...
寺田寅彦 「柿の種」
...凡ての空虚な知識が體驗の絲に貫かれて始めて活きて連結して來る...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...空虚なる船に乘じてなつかしき故郷に彼は去り行けり」 180他日あるもの斯く曰はむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...空虚な自分の心を懐いて空な一日を過した...
豊島与志雄 「運命のままに」
...シェイクスピヤもベートーヴェンもなんと空虚なことだったろう!――まさしく美しいには違いなかったが……しかし彼がもうそばにいないのだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...両者の間に空虚な時間と空間とを許容することであって...
豊島与志雄 「波多野邸」
...空虚な声で「ハッハッハッ」と笑つた...
新美南吉 「鍛冶屋の子」
...セットの組みあがらないテレビのスタジオのような空虚なようすになった...
久生十蘭 「肌色の月」
...私にはただ空虚なものとしか思えないでいた...
堀辰雄 「楡の家」
...その女はしかし、そんなものも、それから自分を取り囲んでいる村の子供たちをすら殆んど認めていないような、空虚な目つきで、じっと自分の前ばかり見まもりながら、いかにも上機嫌(じょうきげん)そうに、ふらりふらりと歩いていた...
堀辰雄 「三つの挿話」
...なんだか得体の知れない空虚な気持を持てあましながら帰りつつあった...
堀辰雄 「ルウベンスの偽画」
...実にも空虚な私の心象の前で――...
牧野信一 「ゾイラス」
...といふ気が彼はした――極めて空虚な悦びを感じたから...
牧野信一 「凸面鏡」
...内容から離された辯證法の所謂「論理」は究極は單にひとつの空虚な概念に過ぎないからである...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...はなはだしく空虚なものに思われた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...とわに空虚な遠い境にはなんにも見えません...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
便利!手書き漢字入力検索