...空虚な高踏派的態度のがある...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そこにできた空虚な空間が...
寺田寅彦 「柿の種」
...反響がおおぜいの声として「リーッウ・ウァーン・ウィーンウール」と調子の低い空虚な気味の悪い声であざけるように答えるのが...
寺田寅彦 「化け物の進化」
...長い廊下に反響してなんとなく空虚なしかも重々しい音色に聞こえるのである...
寺田寅彦 「病院の夜明けの物音」
...今や空虚な狂熱や...
萩原朔太郎 「愛の詩集」
...そして空虚な文字が誌されていた...
原民喜 「冬日記」
...悲しみも喜びも忘却した空虚な気持であった...
火野葦平 「糞尿譚」
...彼はさういふ心の空虚な状態を自分の妻や雇人たちにやつと隱し了せてゐるのである...
堀辰雄 「春日遲々」
...空虚な眼ざしだった...
堀辰雄 「菜穂子」
...私にはただ空虚なものとしか思えないでいた...
堀辰雄 「楡の家」
...僕にはその間が非常に空虚なやうに思はれた...
堀辰雄 「不器用な天使」
...私はその空虚な食堂のなかを...
堀辰雄 「四葉の苜蓿」
...返つて空虚な感が湧くのであつた...
牧野信一 「月評」
...といふ気が彼はした――極めて空虚な悦びを感じたから...
牧野信一 「凸面鏡」
...世間一般が文章の美しさを所謂美辞麗句の空虚な粉飾の中にない事をおのづから知るやうになるにつれて...
水野葉舟 「言文一致」
...預言者は国民が有頂天になって空虚な楽観に耽って居る時滅亡の姿を見て悲しみ...
矢内原忠雄 「帝大聖書研究会終講の辞」
...彼は嫁いだ競子をひそかに愛していた空虚な時間に...
横光利一 「上海」
...空しく空虚な敵陣に立った彼らとしてみると...
吉川英治 「上杉謙信」
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