...空虚な高踏派的態度のがある...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...もともとどこか空虚な感じのする彼の顔は...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...空虚なる船に乘じてなつかしき故郷に彼は去り行けり」 180他日あるもの斯く曰はむ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...全体と部分とかいうような空虚な隙だらけの容器に盛られて了う外はない...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...空虚な、どんよりした、恐ろしい、何も見てとらない目つきだった...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...頭の奥の暗い空虚な穴は...
豊島与志雄 「二つの途」
...酩酊時の空虚な時間に喪失した如何に多くのものが捕捉され回復されることでしょう...
豊島与志雄 「夢の図」
...みんな空虚な言葉に過ぎません...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...この不安に對する彌縫策(びぼうさく)として日本人の慣用する手段は改良々々と呼ぶ空虚な聲ばかりである...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...いまさら物質的の貧乏を以て生活の空虚なりと...
中里介山 「大菩薩峠」
...空虚な声でつぶやくのであつた...
中村地平 「悪夢」
...私にはまるで空虚な議論としか思われない...
中谷宇吉郎 「寺田寅彦の追想」
...空虚な目をやっていた...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...彼の生活は殆ど信じがたいほど空虚なのである...
堀辰雄 「春日遲々」
...空虚な家庭内の淋しき生の悩みなどで神経的な沈鬱な性情に変化していたことは日記や書籍を通じてうかがい知れる...
山下利三郎 「誘拐者」
...が、その死と云うひろがりの、空虚ななかに、未知の手紙の男の姿がはっきりと、幻覚となって現れるのであった...
山本禾太郎 「仙人掌の花」
...この彼女の可笑(おかし)さが未来の幾年かを空虚なものにしてしまうのだ...
吉行エイスケ 「恋の一杯売」
...内容においては空虚な...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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