...空漠たる虚空(こくう)に...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...思想は決して飯の菜にさえなり得ない程に空漠たるものである...
辻潤 「錯覚自我説」
...名前はどうでも一寸把みどころのない空漠たるものである...
辻潤 「自分だけの世界」
...伯は土佐派の空漠たる自由論を迎合するには...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...伯は土佐派の空漠たる自由論を迎合するには...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...若い女達の前では空漠たる冗長な言葉を発しなければいけないなどと考えてくると私は益々陰鬱になるのであった...
豊島与志雄 「運命のままに」
...その先は空漠たる雲霧だ...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...まだ捉え難い空漠たるもので...
豊島与志雄 「理想の女」
...そしてそういう醜い点を一つも具えていないというだけの空漠たる姿で...
豊島与志雄 「理想の女」
...大體耶蘇紀元頃と定めるのが決して空漠たる推定ではない...
内藤湖南 「日本文化とは何ぞや(其一)」
...無限の時間と空間の空漠たる圧迫の中に...
中井正一 「美学入門」
...空漠たる沙漠を隔てて...
原民喜 「鎮魂歌」
...こんなものを見てすぎて行く僕は空漠たる旅人なのだらうか...
原民喜 「火の子供」
...山のむこうにはまた空漠たる曠原が待ちうけているのだろう...
久生十蘭 「新西遊記」
...とにかくこれから空漠たる空のみ絶えず彼の相對として眼に觸れると云ふ豫想からばかりでも...
横光利一 「蛾はどこにでもゐる」
...そして外界の空漠たる大天地では...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...――この空漠たる彼方の無限の水平線の背後にいたるまで...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...ブルターニュの土地は水の空漠たる靜寂の上に引き伸びて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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