...若い女達の前では空漠たる冗長な言葉を発しなければいけないなどと考えてくると私は益々陰鬱になるのであった...
豊島与志雄 「運命のままに」
...大革命の初めのころの中流人士らを逆上さした空漠(くうばく)熱烈な観念論に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その先は空漠たる雲霧だ...
豊島与志雄 「高千穂に思う」
...再び空漠たる所へ消え失せてしまった...
豊島与志雄 「理想の女」
...彼はその精神の最も空漠(くうばく)たる一隅(ぐう)において...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...大體耶蘇紀元頃と定めるのが決して空漠たる推定ではない...
内藤湖南 「日本文化とは何ぞや(其一)」
...海というようなものの空漠性よりは...
中里介山 「大菩薩峠」
...これは……僕はふと空漠(くうばく)としたものに戸惑っている...
原民喜 「鎮魂歌」
...空漠(くうばく)たる沙漠(さばく)を隔てて...
原民喜 「鎮魂歌」
...こんなものを見てすぎて行く僕は空漠たる旅人なのだらうか...
原民喜 「火の子供」
...何か空漠とした天界から小さな箱のなかに振り落されている自分を見出す...
原民喜 「夢と人生」
...空漠たる地表を見まわした...
久生十蘭 「地底獣国」
...外界のはてしない空漠につづいてゐる...
室生犀星 「はるあはれ」
...それは私には決して空漠たる願望でない...
吉江喬松 「霧の旅」
...――この空漠たる彼方の無限の水平線の背後にいたるまで...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...やがて海の巨きな空漠たる中へ掃き落してしまつた‥‥やがて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...國體は空漠として彼方にあるものではない...
吉川英治 「折々の記」
...甚だしく大陸的な空漠をそなえている彼の顔に...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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