...空漠たる虚空(こくう)に...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...空漠な広野の果を見るように何一つ著しい目標のないだけに...
寺田寅彦 「厄年と etc.」
...また空漠とした愛慾に惹かされるというような...
豊島与志雄 「黒点」
...女学生の歌をききながら夢想する空漠たる憧憬や...
豊島与志雄 「春」
...私の頭も空漠たる境地を彷徨して...
豊島与志雄 「理想の女」
...彼のうちには多くの空漠(くうばく)たるものが残っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...然し論述の順序としては最初より予の考へた儒家思想發展史を空漠に説くよりも...
内藤湖南 「尚書稽疑」
...空漠(くうばく)なる余の頭に陸離(りくり)の光彩を抛(な)げ込(こ)んでくれたジェームス教授も余の知らない間にいつか死んでいた...
夏目漱石 「思い出す事など」
...そして日向の砂丘に寢ころびながら、海を見てゐる心の隅に、ある空漠たる、不滿の苛だたしさを感じてくる...
萩原朔太郎 「宿命」
...何か空漠(くうばく)としたものに身を委(ゆだ)ねているようである...
原民喜 「秋日記」
...これは……僕はふと空漠としたものに戸惑つてゐる...
原民喜 「鎮魂歌」
...空漠たる沙漠を隔てて...
原民喜 「鎮魂歌」
...山のむこうにはまた空漠たる曠原が待ちうけているのだろう...
久生十蘭 「新西遊記」
...たゞ極めて空漠と頭の中が軽かつたので...
牧野信一 「公園へ行く道」
...頭は恰でボール箱の如くに空漠として...
牧野信一 「爪」
...その頃私は弁論の練習をしながら大政治家になろうという空漠な野心に燃えていたのだった...
三木清 「語られざる哲学」
...彼等は水平線の空漠たる隅々からさへも現はれて來た...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...空漠(くうばく)だった...
吉川英治 「剣の四君子」
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