...月の明かるい廊下もその夜は空明(からあ)きであった...
ストックトン Francis Richard Stockton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...ちらちらと空明りに黒く光った...
徳田秋声 「足迹」
...十人前の椅子のうち八つは空明きになって...
中里介山 「大菩薩峠」
...空明になつた足へつけ込んで引張られるので...
長塚節 「撃劍興行」
...水明りや空明りはあつた筈です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...しらじらとした空明りの反射だけでは...
久生十蘭 「あなたも私も」
...窓ガラスの爆風除けの紙だけが空明りの反射でほの白く浮きあがっている...
久生十蘭 「だいこん」
...雨後のほのかな空明りのほかなにも見えなかった...
久生十蘭 「ノア」
...むこうのケースメントの硝子の面(めん)に夜明けのような空明りがうつり...
久生十蘭 「雪間」
...陰暗(いんあん)な夕空明りへ傾(かたむ)いてゆく...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...ほのかに空明をひたして...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...恰で空明透徹(くうめいとうてつ)な大氣の中へ淡(あは)い水蒸氣(すいじようき)が流れ出したやうな有様(ありさま)であツた...
三島霜川 「平民の娘」
...空明りを慕うているさまは恋のように仄かなものである...
室生犀星 「庭をつくる人」
...空明りの射して来るまで彼は呼吸を忍ばせた...
横光利一 「旅愁」
...空明りによくよく見ると...
吉川英治 「江戸三国志」
...陣幕(とばり)の上にうすらいで来た空明りへ顔を上げた...
吉川英治 「私本太平記」
...だらりと髷(まげ)の上からくるんでいる横顔が空明りのせいかくッきりと白い...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...青い月かと思うような空明りが映(さ)す...
吉川英治 「源頼朝」
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