...源氏の空しく蓬蒿の下に蟄伏したるを見る...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...空しく引上げて行ったではないか...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...蓄音機空しく客を呼ぶ...
大町桂月 「近藤重藏の富士山」
...機械が修繕されるまでみな手を空しくして待たねばならず...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...余は空しくまた京都に逆戻りと決し...
高浜虚子 「子規居士と余」
......
陀田勘助 「手をさし延べよう!」
...それは、おそらく空しく、荒唐無稽(こうとうむけい)ともいえる望みでしたが、ネロはこの望みを深く胸に秘めていました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...半輪の月空しく樹頭に在り...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...唯先人の遺産を浪費し暖衣飽食空しく歳月を送るのみ...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...どこをめあてに翔けるのだらう!さうして酒瓶の底は空しくなり醉ひどれの見る美麗な幻覺(まぼろし)も消えてしまつた...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...だが空しく――何も彼(か)もあまりに覺束(おぼつか)なかつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...或は空しくなつた家の日ごとに荒廢してゆく有樣や...
堀辰雄 「黒髮山」
...酒を飲んで空しく帰るのを憾(うらみ)とした...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...手を空しくして引上げた...
夢野久作 「少女地獄」
...隨分空しく脾肉を歎じてゐるのではないかと考へられる...
吉川英治 「折々の記」
...空しく駒を返したが...
吉川英治 「三国志」
...――空しく禅師のお帰りのみを待っているわけではない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...今年もその春の頃をば空しく過ごして...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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