...空しく夜長の寂しさを語つてゐる...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...その約もいまは空しくなつた...
心猿 「桜もち」
...義雄自身の機能はさういつまでも空しく滿足してゐることは出來ない...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...壮図はついに空しく...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...どうかこちらへ」とさつきから敷いたまゝで空しく人待顏であつた座蒲團を三藏の傍に敷く...
高濱虚子 「俳諧師」
...三年四年は空しく憧(あこが)れながらも...
谷崎潤一郎 「刺青」
...いつかはそれをみんな読もうと思っていた望みも空しくなってしまう...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...池川の雨戸は空しく締められてこれも悲しい...
寺田寅彦 「高知がえり」
...文学も亦みずからを空しくなしうるものだ...
戸坂潤 「思想としての文学」
...平次も手を空しくして此處を引上げる外はありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...案内人の声も妙に空しくこだますので...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...御自身は御祓の果てる日を空しく待たれているらしかった...
堀辰雄 「ほととぎす」
...空想的の功名に(あが)いて多大の希望と抱負とを持ツて空しく路傍に悲慘なる人間の末路を見せた青年もあツたであらう...
三島霜川 「解剖室」
...空しく氏の家を訪れたのである...
山本周五郎 「青べか日記」
...空しく北へ降りるのは遺憾千万ではないか...
吉川英治 「三国志」
...幾日かを空しく守りながら陣小屋の内にかくれて...
吉川英治 「三国志」
...何としても掻き消えない一点の心残りは、かほど犠牲を抛(なげう)ったひと太刀も、空しく、あいてを逸して、どうやら、浅傷(あさで)の程度に過ぎないことだ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...空しく小松谷の館へ...
吉川英治 「源頼朝」
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