...いざ、と成れば、法もかく、手心は心得たが、さて指当(さしあた)って、腹は空く、汗は流れる、咽喉(のど)は乾く、氷屋へ入る仕覚(しがく)も無かった...
泉鏡花 「浮舟」
...やッぱりお腹(なか)が空くのかえ」「いい包(パオ)だ...
魯迅 井上紅梅訳 「薬」
...松永博士の所謂「興奮の鎮まって腹の空く時期」とでも云うのがやって来たのか...
大阪圭吉 「三狂人」
...竹姫後日を契り申ければ帝空く返玉う...
高木敏雄 「比較神話学」
...何ガロンかビールの樽(たる)が空くと...
高村光太郎 「ヒウザン会とパンの会」
...ほんとうに姉の手が空く時はありそうにもなかった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...店が空くから出ていてくんな...
徳田秋声 「新世帯」
...空くもりて秋の庭しづかなり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...両三日空くもりて溽暑甚しく大雨降り来りては忽ち歇む...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...割引まで待てば空くンだろう?」「腹がへって割引まで待てやせんよ...
林芙美子 「泣虫小僧」
...この種の地位の空くのが...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...お城の下の麥を干したらしい空くひの列に沿って小さな犬が馳けて來る...
宮澤賢治 「うろこ雲」
...おなかの空くことは...
宮本百合子 「美しく豊な生活へ」
...腹あ空くし、疵は痛む...
三好十郎 「おりき」
...よく空く腹だぞ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...作者の影空くして...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...多勢いないと騒ぐに張合が無いのであろうと私は割合にその内湯の空くのをいつも喜んでいた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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