...叔母は空々(そらぞら)しく気の毒だとかすまないとかいい続けながら錠をおろした箪笥(たんす)を一々あけさせて...
有島武郎 「或る女」
...昔葉子に誓った言葉などは忘れてしまった裏切り者の空々(そらぞら)しい涙を見せたりして...
有島武郎 「或る女」
...堂々たる生活をしながら社員が急を訴えても空々(そらぞら)しい貧乏咄をしてテンから相談対手にならなかった...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...宛然(まるで)空々(そら/″\)しい無理(むり)な元氣(げんき)を出(だ)して...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六號室」
...まるで空々(そらぞら)しい無理(むり)な元気(げんき)を出(だ)して...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...空々閑々あつけらかん!これが昨日今日の私の気分である...
種田山頭火 「一草庵日記」
...・空々寂々、是非の中で是非にしばられない、利害の中で利害にとらはれない、――動いて動かない心である...
種田山頭火 「其中日記」
...空々寂々...
種田山頭火 「旅日記」
...ちょうど疾風がどこかの人類の棲息しない目的もない遊星をめぐって咆哮でもしている様に空々たる趣きがあった...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...互いに空々しい自己独立性を保っていた限り...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...どこか空々しい感じでした...
豊島与志雄 「霊感」
...反つて空々(そら/″\)しく聽えるんだ」「それでどんな事になるんです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いかにも空々しく...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...「神経衰弱といふ病気なのかな!」そんな風にも思つて見たが、酒を飲むと相当元気になるところを思ふと、これも空々しく、彼は苦笑を洩すより他はなかつた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...とても今更空々しくつて...
牧野信一 「文學的自叙傳」
...悉く壮厳めかしく(それは主に彼の声色に依る)空々しい...
牧野信一 「籔のほとり」
...本当に乾いた眼で空々しく読むなど出来ない...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...二人の若者はこのような空々漠々(くうくうばくばく)のあいだに...
室生犀星 「姫たちばな」
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