...彼女の空々(そら/″\)しいお世辞に幻滅(げんめつ)を感ぜずにはゐられなかつた...
芥川龍之介 「貝殼」
...令息と呼ぶのは空々しい気がする...
芥川龍之介 「長江游記」
...「いゝえちっともお見えになりませんが……」と空々(そらぞら)しく聞こえるように答えた...
有島武郎 「或る女」
...何だか空々しく変に聞えますが今の処他に言葉が見あたりませんから...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一四年一一月号)」
...どうも何だか空々しい...
太宰治 「東京八景」
...それが渺茫(びょうぼう)としているだけに何やら空々たる趣きがあった...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...熟練な化学実験の大家(たいか)が空々(くうくう)たる瓦斯(ガス)にでも変化してしまったかのように...
コナン・ドイル 新青年編輯局訳 「臨時急行列車の紛失」
...いのじヶ原は空々寂々として...
中里介山 「大菩薩峠」
...空々タル談話百回説クモ益無ク終日聴クモ利無クシテ...
※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]上漁史 「忙ノ説」
...涙ながらに言ふんだが何うしたものでせう」平次の空々しさ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何んとなく空々しいお祭り氣分のあるのを平次は見のがしませんでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...硝子の耳だから血は出ないのだらう――と彼は空々しいことを考へてゐた...
原民喜 「氷花」
...」男はわざと空々しく云つた...
平出修 「計畫」
...空々寂々(くうくうじゃくじゃく)チンプンカンの講釈を聞(きい)て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...お前お父様などゝよく空々しいことが言へるな」のあと絶句してしまった...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...怖ろしく空々しかつた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...何といふわけもなく声をたてゝ空々し気に嗤はずには居られなかつた...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...寿の方は、大人子供のまま、ひねこびて、術策があるから、それのない側が絶えず不快がり、それを感じつつ変な押しで通して来ているから、寿の、わるい社交性みたいなもの、空々しさ、全く悲しいものです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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