...どうも何だか空々しい...
太宰治 「東京八景」
...□世間を卒業してしまつてはかへつて面白くない、悟れば空々寂々、迷うてゐるからこそ、花も咲き鳥も啼く...
種田山頭火 「其中日記」
...・空々寂々、是非の中で是非にしばられない、利害の中で利害にとらはれない、――動いて動かない心である...
種田山頭火 「其中日記」
...すると彼女は「あなたには何もかも空々しいように見えるのです...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...まことに根の張らない見掛倒しの空々(そら/″\)しい事実なのである...
夏目漱石 「点頭録」
...ちょうだいして毎日散歩の時突いて出ますなどと空々しい嘘(うそ)は吐(つ)けず...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...空々タル談話百回説クモ益無ク終日聴クモ利無クシテ...
※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]上漁史 「忙ノ説」
...斯うして見ると、人形ほど不気味なものはありません、なまじ人間の形をして居るだけに、この無生物の木偶(でく)達は、気取ったのも、笑ったのも、怒ったのも、妙に空々しくて、間が抜けて、我々の世界とは全く違った別な世界に生活して居るような、言いようのない不気味さに人を圧迫するのでした...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...皆は空々しく白ばっくれて...
萩原朔太郎 「ウォーソン夫人の黒猫」
...硝子の耳だから血は出ないのだらう――と彼は空々しいことを考へてゐた...
原民喜 「氷花」
...空々しく点頭いた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...反(かへ)つて私が法螺でも吹いてゐるんぢやないかといふ風に空々し気な眼を輝かせてゐた...
牧野信一 「鱗雲」
...生真面目な顔で空々しい声をあげて続けるのであつた...
牧野信一 「くもり日つゞき」
...」とばかりに空々しくうけ流しながら愴惶と潜り戸を脱け出た...
牧野信一 「公園へ行く道」
...余はその空々しさに肚立ちを覚えたことを記したが...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...わずかに口が開いたまゝ喉の奥が空々しく鳴つてゐるだけなのであつた...
牧野信一 「病状」
...Yは空々庵の主と同様達磨のやうに肥つた男である...
牧野信一 「ブロンズまで」
...あたし達!なみの空々しさぢやない...
牧野信一 「雪景色」
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