...令息と呼ぶのは空々しい気がする...
芥川龍之介 「長江游記」
...何だか空々しく聞えた...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...□世間を卒業してしまつてはかへつて面白くない、悟れば空々寂々、迷うてゐるからこそ、花も咲き鳥も啼く...
種田山頭火 「其中日記」
...茫々漠々、空々寂々...
種田山頭火 「其中日記」
...それが渺茫(びょうぼう)としているだけに何やら空々たる趣きがあった...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...空々しい真似をするとおっしゃるでしょうよ...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...下手(したて)に出(い)でをれば空々(そらぞら)しきその意見...
永井荷風 「榎物語」
...今云ったのはけっして空々しい挨拶でも何でもありません...
夏目漱石 「行人」
...「僕の詫様(よう)が空々(そらぞら)しいとでも云うのかね...
夏目漱石 「明暗」
...そんな空々しい事はお嫌ひなんださうです――尤(もつと)も人見知りがひどくて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何んとなく空々しいお祭り氣分のあるのを平次は見のがしませんでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...よくもまあそんな空々(そらぞら)しい事が仰ゃれたもの...
堀辰雄 「ほととぎす」
...空々しい同情を与へた...
牧野信一 「鱗雲」
...私は(よくもかう空々しく言へるもんだな)と思ひながら...
牧野信一 「愚かな朝の話」
...「もう一度その終ひの奴を云つて見てお呉れ!」と私は、空々しく、熱心気に訊き返したり、「なるほどね...
牧野信一 「晩春の健康」
...悉く壮厳めかしく(それは主に彼の声色に依る)空々しい...
牧野信一 「籔のほとり」
...あたりが全く空々漠々としている中へ...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ある幸福」
...頻りにスースー息を吸い込んでは空々しい言葉を並べたから...
宮本百合子 「気むずかしやの見物」
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