...決して卑しく穢れたものではなかつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...内閣書記官長高橋健三とともに現内閣中世塵に穢れざるものの双璧とされている...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...どんなにいまわしい穢れがあの女を待ち設けているにもせよ...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...穢れだ』滿身の怒氣を込めて...
萩原朔太郎 「二十三夜」
...その穢れで祟りを受けているのではあるまいか...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...穢れを背負いこんで...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...罪の穢れを洗い潔めたいという...
久生十蘭 「蝶の絵」
...もうぢき十字架の傍を通りすぎる筈だが――あれは墓場だ! あの下で奴の穢れた先祖どもが腐つてをるのだ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...その穢れた舌で淫らがましいことを喋り散らしてゐる...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...おれは穢れがあるからこのままこうしても居られない...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...身の穢れている間は...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...穢れたシャツやカラーが寝台の下に投込んであったりするのはいつもの通りであるが...
松本泰 「日蔭の街」
...悪業に埋もれ果つれども二人の思ひに穢れはあらじ...
夢野久作 「白くれない」
...なほもその美しき可憐な花園に穢れた足を延ばしめんとするものが卿らであるとしたならば...
横光利一 「絶望を与へたる者」
...爾に穢されたわが身のように穢れている...
横光利一 「日輪」
...縞目の穢れたYさんの背広の姿が目に見えて酸つぱいやうな気がしました...
與謝野晶子 「女が来て」
...――この勞働が十時間引きつゞいた――そして夜になつた時は、朝のうちはいかにもさつぱりと見好げであつたその哀れな船は、もう見窄らしく、じく濡れになつて、穢れて、すべて取り亂されてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...ひとりここの藤氏(とうし)の長者ばかりでなく、禁中でも、朝臣一般のあいだでも、“触穢(しょくえ)”といえば、おぞ毛をふるって、穢れ払いに、幾日でも、門を閉じ、衣冠を廃して、参内(さんだい)も休(や)め、客を謝すという例を、誰もが知っているからである...
吉川英治 「平の将門」
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